質問者:
一般
うもも
登録番号4842
登録日:2020-08-18
■ イシクラゲは窒素固定できるとあったので、田んぼに豆科のレンゲ草を植えることで、田んぼに栄養を与えるように、窒素肥料の変わりにならないかの観察もしているところです。ホームセンターで購入した、基本の野菜の土(pH調節済)と、バーミュキュライト、マサ土を使って調べています。みんなのひろば
イシクラゲを窒素源として肥料代わりに利用できるか
イシクラゲを土の上に乗せたもの、イシクラゲを土に混ぜこんだもの、イシクラゲを入れない土に、それぞれ、ラディッシュの種を植え、成長具合を見ています。
今のところ、基本の野菜の土の発育状態は変わらずですが、バーミュキュライトと、マサ土では、明らかに、イシクラゲが上に乗っているもの=イシクラゲを混ぜ込んだものの芽が出るはやさ、成長具合は著しいです。
水田の休耕時期にレンゲを植えるのは昔は普通に見られることでしたが、今はほとんど見られませんね。マメ科の植物は窒素固定をしますので、レンゲを育てて窒素肥料の代わりにするわけですが、イネと同時に育てるわけではありあません。アゾラ(Azolla)という水生シダのウキクサ(アカウキクサ)がありますが、これも窒素固定をするのでいイネの生育している水田で増やすアゾラ農法というイネ栽培法があります。もっとも、他の雑草の成長を抑制するとかなどの別の効果も加わっていますが。ところで、イシクラゲの場合はそのような窒素固定の影響があるのかどうかはわかりません。3種の培養土壌で2通りの仕方でイシクラゲを加え、いずれも何も与えない対照(コントロール)と比較されているということで、実験の組み立てはいいと思います。ただ、試験区の間で何か差が出たとしても、それがイシクラゲの窒素固定作用と関係があるかどうかは結論は出せません。イシクラゲのゼリーコートに含まれる水分環境のせいか、イシクラゲが排出する他の物質によるものなのかもわかりません。促進的ならば何か成長を促すホルモン様物質があるのかもしれません、阻害的なら反対に植物成長抑制物質が出ているのかもしれません。お使いになっている、バミキュライトは蛭石を焼いたものですし、マサ土は花崗岩の砂ですから、どちらも栄養分はありません。それらとイシクラゲの組み合わせの場合は成長が良いというは、発芽の速さも含めてですから、何か別の原因かと思われます。種を蒔いてからどのくらいに期間までの観察かにもよります。
長期的に考えると、イシクラゲを土壌中に混ぜてしまうと、光合成ができませんから菌の繁殖はできません。しかし、特別に不利な環境にならなければ、しかるべく適切な環境が到来するまで耐えて生き延び、地表に出て繁殖を始めることでしょう。
ただ、はびこったイシクラゲを狩り集め、死滅させて使うとすれば、腐葉土あるいは大きくなったレンゲを土壌にすき込んで使うと同じような意味で肥料として役に立つかもしれません。
長期的に考えると、イシクラゲを土壌中に混ぜてしまうと、光合成ができませんから菌の繁殖はできません。しかし、特別に不利な環境にならなければ、しかるべく適切な環境が到来するまで耐えて生き延び、地表に出て繁殖を始めることでしょう。
ただ、はびこったイシクラゲを狩り集め、死滅させて使うとすれば、腐葉土あるいは大きくなったレンゲを土壌にすき込んで使うと同じような意味で肥料として役に立つかもしれません。
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2020-08-18