質問者:
自営業
加藤
登録番号4921
登録日:2020-11-22
最近、園芸に興味を持ちアデニウムを育てているのですが、図鑑や写真で見る現地のアデニウムと、家で育てているアデニウムとで肌の色が違うことに気付き、疑問を持ちました。みんなのひろば
土によって植物の色は変わるのか
この色の違いが何からくるものなのか自分なりに考えてみたところ、土の違いに影響があるのではないかと思い質問させていただきました。
アデニウムが自生しているといわれているイエメン、ソマリア、ケニア、ソコトラ島などの土壌は赤土であることが多く、そのアデニウムも肌が赤茶色をしています。
一方で日本で一般に買える、タイなどで栽培されたものは同じものでも肌が緑色をしています。
タイの土壌についての詳しい情報がなかったので確証はありませんが、やせた赤土を使って栽培することはおそらく無いのではと思います。
赤土は染め物に使われるくらいなので、ここから栄養を摂れば幹の色が変わる可能性もあるのではないかと考えます。
ご回答お願いいたします。
加藤様
植物Q&Aのコーナーを利用下さりありがとうございます。
赤土にはいろいろありますが、赤道付近のアフリカの赤土は高温多湿で風化が進み、また化学反応が促進されることで形成されます。その結果、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどが流失して貧栄養の酸性土壌になります。
動きにくい鉄やアルミニウムなどが残りますが、鉄は酸化されて赤色の酸化鉄になり、赤土の色の原因になります。
赤土(色の原因の酸化鉄)は水や油に溶けず古来から顔料として用いられていますが、水に溶けませんので植物に吸収されません。赤土の赤色が吸収されて植物が赤色を呈するということはないと思います。いろいろ写真を探して見ましたが、私の感覚では茎が赤茶色のアデニウムは見つけられませんでした。茶褐色のもの(例えば、朝日百科 植物の世界27) はありましたが。
アデニウムはキョウチクトウ科アデニウム属の植物で、アデニウムと呼ばれている植物にも、A. obesum, A. socotranum, A. arabicum など10種以上が知られています。また、いろいろ園芸品種が作られ、緑色、灰緑色、茶褐色など茎の色が多様なアデニウムが販売されています。A. arabicumはタイで品種改良され広く販売されているそうです。茎は緑色です。土壌条件で色が変わるかどうかは、同一の種(品種)で比較する必要があるように思います。
植物Q&Aのコーナーを利用下さりありがとうございます。
赤土にはいろいろありますが、赤道付近のアフリカの赤土は高温多湿で風化が進み、また化学反応が促進されることで形成されます。その結果、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどが流失して貧栄養の酸性土壌になります。
動きにくい鉄やアルミニウムなどが残りますが、鉄は酸化されて赤色の酸化鉄になり、赤土の色の原因になります。
赤土(色の原因の酸化鉄)は水や油に溶けず古来から顔料として用いられていますが、水に溶けませんので植物に吸収されません。赤土の赤色が吸収されて植物が赤色を呈するということはないと思います。いろいろ写真を探して見ましたが、私の感覚では茎が赤茶色のアデニウムは見つけられませんでした。茶褐色のもの(例えば、朝日百科 植物の世界27) はありましたが。
アデニウムはキョウチクトウ科アデニウム属の植物で、アデニウムと呼ばれている植物にも、A. obesum, A. socotranum, A. arabicum など10種以上が知られています。また、いろいろ園芸品種が作られ、緑色、灰緑色、茶褐色など茎の色が多様なアデニウムが販売されています。A. arabicumはタイで品種改良され広く販売されているそうです。茎は緑色です。土壌条件で色が変わるかどうかは、同一の種(品種)で比較する必要があるように思います。
庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2020-12-05