HK　様

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生物の現存量（バイオマス）の数値として、「水を含めた生物の総重量」・「乾物としての総重量」・「生体を構成している炭素の総重量」などが使われます。さて、これらの数値を推定することは容易ではありませんが、やり方としては、たとえば、サンプルとなる領域について全ての生き物の種類ごとの量を調べ、いろいろな仮定に基づく計算によって、実測値を基にした地球全体としての存在量を見積もることになるかと思います。

この問題を扱った最近の論文を下に紹介します。この論文では、地球のバイオマスの総量は（炭素で表現して）550Gt（ギガトン）、そのうち植物は450Gtに相当すると見積もられています。この数値から計算すると植物が占める割合は80％程度になり、Stefano Mancusoさんが書いていることと凡そ一致します。ちなみに、次に大きな部分を占めるのは、動物ではなく、バクテリア（70Gt）だそうです。この論文には方法論についての記述などを含めて参考になることが書かれていると思いますので、読んでみられることをお勧めします。

（論文）Yinon M. Bar-On, Rob Phillips, and Ron Milo (2018) The biomass distribution on Earth. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 115:6506-6511.