質問者:
高校生
メリメリ
登録番号4934
登録日:2020-12-04
高校で生物を選択しており、植物の無機栄養の欠乏症と過剰症について興味があります。植物が生育するためには、いくつかの無機栄養が必要だと思うのですが、それらが少なすぎても多すぎてもいけないなら、植物にとって適切な量の範囲はどれくらいなのだろうと疑問に思いました。特に窒素とリン、鉄に興味があるのですが、それらの元素における有害領域、欠乏領域、適切領域を教えていただけると嬉しいです。
みんなのひろば
植物の無機栄養に対する欠乏症と過剰症について
メリメリさん
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。
植物の正常な生育には17の元素が必要(必須元素)です。そのうちH、O、C、N、P、K、Ca、Mg、Sの9種類は多量元素とされ、H、O、C、N、P、Sは生体を構成するタンパク質、脂質、糖、核酸などの合成材として必要です。これに加えて、微量元素としてFe、Mn、B、Cu、Zn、Mo、Cl、Ni(Niは最近必須元素であることがわかりました)があります。必須元素の他に、成長を補助するような働きのある、Si、Naなどの有用元素もあります。これらの元素のうち、C、O、H以外は無機栄養素で、植物は土壌から吸収します。
植物も動物と同じように、栄養の摂取が不足すると生育がおさえられ、過剰だと障害が起きます。お考えのように、それぞれの必須元素が適切な量供給されることが望まれます。植物の生育と栄養素との関係は栽培、特に農作物について研究がなされてきましたし、今も新しい研究が続いています。したがって、植物の栄養に関する知見はほとんど農作物についての研究に基づくものです。しかも、作物の種類によって、これらの元素を含む無機物質の供給量は同じではありません。また、植物を水耕栽培や、各種の無菌培養をする場合と異なって、土壌で育てるときは、土壌の性質も生育を左右します。
このように、どの作物にはどのような無機肥料をどの程度、どのようにして供給すれば適正な生育が得られるかという事柄を研究する分野は、作物学、栽培学などでの栄養学あるいは土壌学で扱われることなので、このコーナーでは適切な回答は出来かねます。ただ、お尋ねのような、個々の元素の有害領域、欠乏領域、適切領域を一般化した形で提示することは難しいと思います。必要元素に関する情報はweb上にも沢山ありますので、調べてみてください。なお、参考のために、個々の必要元素が欠乏と過剰の時に起こる症状を一般化した形でまとめた良い資料を群馬アグリネットが出しています。「鉄の欠乏・過剰症状と対策」、「リンのーーー」、「窒素のーー」とそれぞれ検索するとみられます。
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。
植物の正常な生育には17の元素が必要(必須元素)です。そのうちH、O、C、N、P、K、Ca、Mg、Sの9種類は多量元素とされ、H、O、C、N、P、Sは生体を構成するタンパク質、脂質、糖、核酸などの合成材として必要です。これに加えて、微量元素としてFe、Mn、B、Cu、Zn、Mo、Cl、Ni(Niは最近必須元素であることがわかりました)があります。必須元素の他に、成長を補助するような働きのある、Si、Naなどの有用元素もあります。これらの元素のうち、C、O、H以外は無機栄養素で、植物は土壌から吸収します。
植物も動物と同じように、栄養の摂取が不足すると生育がおさえられ、過剰だと障害が起きます。お考えのように、それぞれの必須元素が適切な量供給されることが望まれます。植物の生育と栄養素との関係は栽培、特に農作物について研究がなされてきましたし、今も新しい研究が続いています。したがって、植物の栄養に関する知見はほとんど農作物についての研究に基づくものです。しかも、作物の種類によって、これらの元素を含む無機物質の供給量は同じではありません。また、植物を水耕栽培や、各種の無菌培養をする場合と異なって、土壌で育てるときは、土壌の性質も生育を左右します。
このように、どの作物にはどのような無機肥料をどの程度、どのようにして供給すれば適正な生育が得られるかという事柄を研究する分野は、作物学、栽培学などでの栄養学あるいは土壌学で扱われることなので、このコーナーでは適切な回答は出来かねます。ただ、お尋ねのような、個々の元素の有害領域、欠乏領域、適切領域を一般化した形で提示することは難しいと思います。必要元素に関する情報はweb上にも沢山ありますので、調べてみてください。なお、参考のために、個々の必要元素が欠乏と過剰の時に起こる症状を一般化した形でまとめた良い資料を群馬アグリネットが出しています。「鉄の欠乏・過剰症状と対策」、「リンのーーー」、「窒素のーー」とそれぞれ検索するとみられます。
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2020-12-08