一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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シロツメクサの落花について

質問者:   教員   理科教諭
登録番号4952   登録日:2021-01-01
シロツメクサは花が枯れると下に反り返ります。なぜ花を落とさないのか、その適応的意義を教えてください。
理科教諭 様

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。回答が遅くなってごめんなさい。シロツメクサの花が枯れると下に反り返るという現象には今まで気が気がつかなかったし、また改めて観察する機会を得ていませんが、具体的なイメージがわきません。
ご質問の趣旨は花柄の反り返る動きではなく、「Triforium 属ではシロツメクサの花だけが他の仲間と違ってなぜ枯れたまま散らないで残っているのか.。適応的意義はあるのか」ということですね。だとすると、「分らないので回答は残念ながら出来かねます。」植物が示す様々な現象にはそのメカニズムも含めて解明されていないことはたくさん沢山あります。特に、なぜそうなっているのかという意義ついては想像したり、仮説を立てたりすることは可能ですが、推察の域を出て正解を得ることはなかなか難しいです。
花が枯れても落ちない植物は他にもあります。例えばアジサイなどはすぐ目につく例ですが、この場合は残っているのは花弁ではなく萼です。萼だとごく普通のことです。しかし、その適応的意義はと問われるとわかりません。シロツメクサの場合は花弁ですから確かに不思議ですね。ご自分でいろいろ想像なさって、可能ならそれを検証する方法を考えてみてはどうでしょうか。学校のクラブ活動のテーマになるかもしれませんね。他の植物で似たような種類もあるはずです。ちなみに、シロツメクサの花柄運動についてはダーウィンがいろいろ詳しく観察しています。彼の場合は小花一つ一つの小花柄(sub-peduncle)を主に観てますが。
(*)花が枯れると花柄が傾斜する例は本コーナーでもタンポポについて幾つか質問がいろいろ取り上げられています。そこではメカニズニムについても言及されていますので、読んでください(登録番号0763, 3156, 3325, 4499)。

*『ダーウィン植物の運動力』渡辺仁訳、森北出版、1897年(The Power of Movement in Plants, C. & F. Darwin, 1889)
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2021-01-09
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