質問者:
高校生
kiki
登録番号0496
登録日:2006-01-31
被子植物の重複受精をする意義はなんですか??植物の受精について
また花粉管の中にあるミトコンドリアはどんな役割を果たしているのでしょうか?
kiki-san
植物の受精についての質問を受け付けました。以下のように回答します。
登録番号0946
質問1:被子植物における重複受精の意義
質問2:花粉管の中のミトコンドリアの役割
回答:
1 被子植物は裸子植物よりも進化したものですが、生殖の戦略として大きく異なることは、被子植物は重複受精をおこなうという点です。重複受精の機構がどのように進化してきたのか。また、それが機能する意義・役割についてはいくつかの仮説が出され、研究もされていますが、現在のところ定説はありません。一つだけ仮説を紹介しましょう。
重複受精では花粉管にある二つの精子核の一つは胚珠の卵核と融合し,2n接合子ができて、これが胚へと分化していきます。他方もう一つの精子核は胚珠の二つの極核と融合して3nの胚乳核となって、胚乳を形成し、胚の生長に必要な栄養を貯蔵します。胚乳は卵核の受精がおこなわれるまでは形成されません。もし、接合子ができる前に胚乳は形成されているが、結局接合子ができないとなると、植物は無駄な投資をしたことになります。裸子植物では受精が起きる前に、栄養分を大きな雌性配偶体に貯えますから、もし、受精が起きなければ、無駄な投資をしたことになります。つまり、より進化した被子植物では、栄養分を受精しない胚珠に無駄遣いしないよう、重複受精という手段を発達させたということです。
2 全ての細胞はその活動のためにエネルギーを必要とし、それはATPという化合物でまかなわれます。ATPが一番多く生産されるのは酸素呼吸による反応で、これはミトコンドリアでおきます。したがって、花粉管の中のミトコンドリアは花粉管の生命活動のエネルギー供給のために必要です。
植物の受精についての質問を受け付けました。以下のように回答します。
登録番号0946
質問1:被子植物における重複受精の意義
質問2:花粉管の中のミトコンドリアの役割
回答:
1 被子植物は裸子植物よりも進化したものですが、生殖の戦略として大きく異なることは、被子植物は重複受精をおこなうという点です。重複受精の機構がどのように進化してきたのか。また、それが機能する意義・役割についてはいくつかの仮説が出され、研究もされていますが、現在のところ定説はありません。一つだけ仮説を紹介しましょう。
重複受精では花粉管にある二つの精子核の一つは胚珠の卵核と融合し,2n接合子ができて、これが胚へと分化していきます。他方もう一つの精子核は胚珠の二つの極核と融合して3nの胚乳核となって、胚乳を形成し、胚の生長に必要な栄養を貯蔵します。胚乳は卵核の受精がおこなわれるまでは形成されません。もし、接合子ができる前に胚乳は形成されているが、結局接合子ができないとなると、植物は無駄な投資をしたことになります。裸子植物では受精が起きる前に、栄養分を大きな雌性配偶体に貯えますから、もし、受精が起きなければ、無駄な投資をしたことになります。つまり、より進化した被子植物では、栄養分を受精しない胚珠に無駄遣いしないよう、重複受精という手段を発達させたということです。
2 全ての細胞はその活動のためにエネルギーを必要とし、それはATPという化合物でまかなわれます。ATPが一番多く生産されるのは酸素呼吸による反応で、これはミトコンドリアでおきます。したがって、花粉管の中のミトコンドリアは花粉管の生命活動のエネルギー供給のために必要です。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2006-02-07
勝見 允行
回答日:2006-02-07