一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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萩は木なのか、それとも草なのか。木と草の違い。

質問者:   公務員   バルダサール
登録番号4961   登録日:2021-01-09
主治医の代理で質問します。
家族と散歩をしているとき、萩(ハギ)を見つけました。
家族と、萩は木なのか草なのか、どう思うか話し合いました。
あとで、萩(ハギ)はマメ科の低木であり、寒い地域では冬に地上部が枯れるというのをインターネットで知りました。冬に地上部が枯れる植物が木に分類されるというのは、植物に詳しくない私にはよくわかりません。萩はむしろ草なのではないか、という気がしてしまいます。
萩が木に分類される理由は何ですか。また、一般的にいって、木と草はどのように違うのでしょうか。
もしよろしければ、教えていただけないでしょうか。
バルダサール様

みんなのひろば、植物Q&Aへようこそ。
回答は基礎生物学研究所副所長で生物進化研究部門の長谷部光泰(博士)教授にお願いしました。

【長谷部先生の回答】
植物は維管束形成層から二次木部と二次篩部を形成して肥大成長します。維管束形成層の働きが強かったり、1年よりも長く成長するものは、茎が太く硬くなりますので、一般的には、木本と呼ばれます。ハギの中には、地上部が1年で枯れる種類と、何年も枯れない種類があります。前者は草本、後者は木本と呼ぶことが多いです。ただ、前者の場合も、茎が硬くなることから木本と呼ばれることもあります。木本と草本という呼び方は慣用的な呼び方で、何が草本で何が木本かという、学界で確立された規則はありません。図鑑によって著者の異なった基準により、同じ種が草本と書いてあったり、木本と書いてあったりします。

*―――――――――――――――*
付記:
日本植物生理学会のホームページの「みんなのひろば」に入り、そこの「植物Q&A」検索を利用します。そこで「草本 木本」を検索語として調べると、たくさんの回答例が出てきます。
その中から、該当しそうなものを選んで調べるといろいろ役に立つ情報が得られるでしょう。たとえば、「登録番号4916 草本?木本?」には、本項目回答者の長谷部先生の回答が出ています。
櫻井 英博(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2021-02-12
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