一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ネギの部位ごとの成分

質問者:   会社員   s.k
登録番号4964   登録日:2021-01-15
普段調理するときに根付近の固い部分はあまりおいしくないとして、切り落として捨てていたのですが、ふと気になって調べてみました。

すると、普段捨てていた少し色の濃い芯のような部分は茎で、白や緑の部分はすべて葉だということがわかり驚きました。

いままで白い部分が茎、緑の部分が葉と思っていたので、それぞれに味の違いがあるのは当たり前かと思っていたのですが、逆に少しわからなくなってしまいました。

質問ですが、白い部分(葉鞘)や緑の部分(葉身)、茎盤ではそれぞれ成分(糖分、タンパク質など)にどのような特徴があるものなのでしょうか。

よろしくお願いします。
s.k様

質問コーナへようこそ。歓迎いたします。ネギは野菜ですので、野菜の成分の分析は特殊な物質でない限り食品栄養学の分野で扱われます。したがって求められている質問に対して的確な回答となるかどうかわかりませんが、一般的にわかっていることを説明します。
ネギと言っても色々な栽培品があります。しかし、大まかに言って、深谷ネギ、下仁田ネギなどのいわゆる「白ネギ」と九条ネギなどのいわゆる「青ネギ」に大別できます。どのネギも白い葉鞘の部分と緑色の葉身の部分があり、違いはどちらの部分が多いかです。含まれている成分は、例外もあるかもしれませんが、共通で、大きな違いは緑の部分にはクロロフィルが存在することです。あとは、緑色の部分にはビタミンA (β-カロテン)、ビタミンC、カリウム(K)がより多く含まれ、白い部分にはネギの匂いや味を特徴付けるアリシンとかネギオールという物質が多く含まれることでしょう。ネット上にはネギの成分を載せているサイトが沢山ありますが、幾つかは白い部分と緑の部分の成分比較の表を載せていますので、ご覧になってください。植物体の成分量は栽培/生育条件でも異なってきます。調べてみましたが、残念ながら茎盤の部分だけを分析した例は見つかりませんでした。茎盤にはネギの茎頂が含まれますので、ここには分裂組織があり、新しい葉(原基)が作られるなど活発な細胞分裂/分化の活動が行われています。もしミクロなレベルでネギの各部分を細かに成分分析すると、それぞれに特徴的なタンパク質(構造タンパク質、酵素など)や、機能性物質(植物ホルモン、クロロフィルなど)などがあるのは当然のことです。
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2021-01-22
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