一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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低張液下で生じる原形質分離

質問者:   大学生   K
登録番号4975   登録日:2021-02-05
 先日、大学の実習で原形質分離の観察を行ったのですが、理論上原形質分離が生じえない低張液下で数個の細胞(約3%)で原形質分離が起きてしまいました。担当教員も理由がわからないらしく、これに対する有効な情報も手に入りませんでした。実習では必ず理論値が出ないことは理解していますが疑問が残ります。
 低張液下でも原形質分離が起きる事例は他にあるのでしょうか。また、理論的に説明できるものなのでしょうか。後学のためにぜひ教えていただきたいです。
K様

植物Q&Aのコーナーを利用下さりありがとうございます。
原形質分離の実験で、頻度は3%くらいと高くはないが低張液の中で原形質分離がおきたということですので、同様な記載はないかいろいろ成書をあたってみました。調べた限りでは、そのような記載は見当たりませんでした。唯一だいぶ古い本ですが、「植物生理学実習」(北海道大学理学部植物生理学教室編、養賢堂〉(昭和29年)の中に、表皮を剥離する過程での傷害で周辺の細胞では異常な原形質分離がおきることがあるので、原形質分離を観察する場合は内部の細胞で行うようにという注意書きがありました。私も傷害の可能性を考えておりましたので、物質の透過性などを専門にされておられる方に確認しようかと思いましたが、質問内容からどのような実験をされたのかがまったく不明です。
どのような植物材料を用いられたのでしょうか?低張溶液の組成はどのようなものででしょうか?異常の見られた細胞に特徴があるのでしょうか?また、その異常が発生した細胞の位置に一定の傾向があるのでしょうか?異常が認められたのは、観察当初からでしょうか、それとも観察を始めてからどのくらい時間が経ってからなのでしょうか?などなど。
実験内容、結果などを記載され、改めて本コーナーに質問をお寄せ下さい。
庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2021-02-14
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