一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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発芽に温度が必要なのはいつからいつまで?

質問者:   一般   げる
登録番号4978   登録日:2021-02-05
様々な質問、そして回答をいつも楽しく読ませていただいています。
最近、カキの仲間の種を入手した時のことなのですが、種は入手した時点で根が少し出ている状態で、早めに植えました。ただ鉢を置いている室内の温度は15度前後で、加温した方がいいかどうかを考えている時にふと気になった事があり、自分でも少し調べたものの答えが得られず質問してみようと思いました。
種が発芽するきっかけのひとつとして、ある程度の温度が必要だというのは本やネット等で見た事があるのですが、具体的にはどのタイミングで必要なのでしょうか?
最初に動き始める時だけなのか、根が伸びる間もなのか、芽が地上に出るまでなのか。
例えば、30度に温めて一度動き出せばある程度温度が下がっても根や芽は成長していくのでしょうか?それとも止まってしまうのでしょうか?
種類によって違いもあるでしょうし、温度がちょっと曖昧で申し訳ないのですが、回答いただければ幸いです。
げる 様

この質問コーナーをご利用いただきありがとうございます。

入手されたカキ(柿)の仲間の植物の種子は、種皮を破って根が出ている状態のようですので、すでに発芽しているものと見なされます。後は、適当に給水を続け、生育に適した温度に保ち続けることで十分だと思います。

なお、一般に、成長が止まって休眠状態になっている種子は、(低温を経験するなどの過程を経た後)吸水することにより代謝活性を回復して発芽に至ります。種子の発芽を促す方法として、例えば「湯芽出し」と言われるように一時的に温水に浸したり、時には熱ショックを与えるなどの処置がとられることがあります。これらの処置は、種皮の頑強さを和らげたり温度に依存する内部の代謝活性を高めることで、発芽の促進に役立つものと思われます。
佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2021-02-12
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