一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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ヤナギについて

質問者:   高校生   りょうすけ
登録番号5014   登録日:2021-03-09
こんにちは、
北海道に住んでいます。
バッコヤナギ、ネコヤナギ、などにある、
北海道では春になる前3月頃まだ氷点下+2m前後の積雪があるうちから最初にヤナギ類に出てくる、フワフワの白い綿毛は、花なのでしょうか、
それとも葉なのでしょうか、また、それ以外の何かなのでしょうか?長くなってすみませんよろしくお願いします。
りょうすけ様

植物Q&Aのコーナーを利用下さりありがとうございます。

ネコヤナギ(カワヤナギとも言います)は北海道から九州までの水辺に生えるヤナギで、バッコヤナギ(ヤマネコヤナギとも言います)は北海道から本州(中国地方はまれ)、四国の山地に分布するヤナギ科の植物です。どちらも早春、葉に先立って無数の、白絹毛が密生した、銀白色の花穂(尾状花序:花が尾状に配列)をつけることで人目を惹きます。りょうすけさんが見たのはその花穂だと思います。
どちらの種も雌雄異株ですが、雄株の花穂も雌株の花穂も多数の花から成る長さ2~5cmの楕円形あるいは長楕円形をしています。花には花被(花弁、萼片)はありませんが、白毛の密生した子房あるいは雄しべを持っています。白毛の密生している状態の図は牧野新日本植物図鑑のカワヤナギの図に描かれていますのでご覧になって下さい。
りょうすけさんはしばしば樹木に関する質問を本コーナーにお寄せ下さいますが、質問の回答に満足しないで、実際に植物を観察してみて下さい。実際に観察して確かめられた時の嬉しさはまた格別だと思います。また、樹木には観察するのが難しい疑問も多いと思いますが、質問する前に、自分で観察して「不思議」を解決する努力をされると良いと思います。自力で解決できた時の感動をぜひ味わって欲しいなと思っています。
庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2021-03-28