質問者:
その他
かめさん
登録番号5030
登録日:2021-03-28
アオキは日陰でも良く育ちます。そのため茎も緑色で光合成をしていると思います。その茎に気孔があると考え、スンプ法で調べましたが見つかりませんでした。ノイバラの茎からは気孔を発見することができましたので、調査方法は間違っていないと思います。そこで下記2点のにつきお教え願います。アオキの茎の気孔
1.アオキの茎には気孔がないのでしょうか?
2.仮に気孔がない場合、気孔が無いと炭酸ガスが吸収できないので光合成ができないと思いますが、葉の方とやり取りして光合成をしているのでしょうか?
緑色の茎に気孔がない樹木は多いように思います。
年に似合わず、初心者の質問で申し訳ありませんが宜しくお願い致します。
かめさん 様
この質問コーナーをご利用いただきありがとうございます。ご質問への回答を気孔についてお詳しい九州大学の島崎研一郎先生にお願いしたところ、下記の回答文を頂戴しました。参考になさってください。
【島崎先生からの回答】
わたしは、長い間、気孔の研究を行ってきましたが、適切な答えをもっていません。そこで、アオキの光合成を研究されている九州大学の久米篤先生(九州大学大学院農学研究院・環境農学部門・サステイナブル資源科学講座)に代わって答えて頂きました。以下がその答えです。
”気孔は、光合成における炭酸ガス(CO2)の吸収を行い、蒸散部位を限局して水分の蒸発を少なくする機能があります。アオキの場合、気孔は葉の裏面に存在し、光合成の盛んな日向にある葉では気孔密度は高くなり、日陰では低くなります。茎の場合も同様です。様々な植物で、日向で光合成が活発に行える環境の茎で気孔の頻度が高くなることが観察されます。しかし、葉ほどには光合成は行えないので、その密度は低くなります(登録番号2232等を参照)。アオキの茎は、ノイバラの茎と比較すると暗い環境におかれています。また、特に樹木の場合は植物体内の組織の呼吸で生じたCO2が茎表面から放出されているため、その一部を緑の茎の光合成によって再吸収しています。樹液によって根から輸送されたCO2の一部が枝内の葉緑体に吸収されていることも確かめられています。つまり、アオキの茎は気孔が無くても光合成を行っているのです。”
久米先生のお答えに基づいて短く答えると、以下のようになると思います。
1)アオキの茎では気孔はほとんど見つからない。
2)樹木内部の呼吸で生じるCO2を茎表面の光合成で再吸収している。
この質問コーナーをご利用いただきありがとうございます。ご質問への回答を気孔についてお詳しい九州大学の島崎研一郎先生にお願いしたところ、下記の回答文を頂戴しました。参考になさってください。
【島崎先生からの回答】
わたしは、長い間、気孔の研究を行ってきましたが、適切な答えをもっていません。そこで、アオキの光合成を研究されている九州大学の久米篤先生(九州大学大学院農学研究院・環境農学部門・サステイナブル資源科学講座)に代わって答えて頂きました。以下がその答えです。
”気孔は、光合成における炭酸ガス(CO2)の吸収を行い、蒸散部位を限局して水分の蒸発を少なくする機能があります。アオキの場合、気孔は葉の裏面に存在し、光合成の盛んな日向にある葉では気孔密度は高くなり、日陰では低くなります。茎の場合も同様です。様々な植物で、日向で光合成が活発に行える環境の茎で気孔の頻度が高くなることが観察されます。しかし、葉ほどには光合成は行えないので、その密度は低くなります(登録番号2232等を参照)。アオキの茎は、ノイバラの茎と比較すると暗い環境におかれています。また、特に樹木の場合は植物体内の組織の呼吸で生じたCO2が茎表面から放出されているため、その一部を緑の茎の光合成によって再吸収しています。樹液によって根から輸送されたCO2の一部が枝内の葉緑体に吸収されていることも確かめられています。つまり、アオキの茎は気孔が無くても光合成を行っているのです。”
久米先生のお答えに基づいて短く答えると、以下のようになると思います。
1)アオキの茎では気孔はほとんど見つからない。
2)樹木内部の呼吸で生じるCO2を茎表面の光合成で再吸収している。
島崎 研一郎(九州大学名誉教授)
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2021-04-20
佐藤 公行
回答日:2021-04-20