質問者:
会社員
あいな
登録番号5055
登録日:2021-04-25
はじめまして。松の花粉について
クロマツの花粉について質問です。
4月上旬から、自宅付近にある松花粉の飛散がとても激しく、目視できるくらい目の前を砂埃のように舞っています。洗濯物を外で干したいのですが、松花粉がとても酷いので、落ち着くまでは部屋干しにしようと思っています。
そこで質問なのですが、
一般的に松花粉のシーズンは4月上旬から7月上旬(ネット調べ)といわれているようですが、一度花粉が大量に発生した松の木は、次のシーズンが来るまでは新たな花粉を発生させないのでしょうか?
それとも、シーズン中であれば、一本の同じ松の木に、何度も花粉を発生させる事が出来るのでしょうか?
ネット上に掲載されている花粉のシーズンが3ヶ月と長く、この期間はずっと洗濯物を外で干す事が出来ないのかな?と思い色々とネットで探してみましたが、どこを探しても載っておらず、詳しい人も近くにいない為、教えていただければと思います。
宜しくお願いします。
あいな様
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。都会では洗濯物は乾燥機で乾かしてしまうことが多いですが、日光の下で干してしっかり乾かした洗濯物は爽やかな陽光の香りみたいなものが感じられていいですね。しかし、最近は黄砂や空気汚染もあって、いつも外で干すというわけにはいかないこともあります。ご質問のように花粉の飛散で困る場合もあります。さてクロマツ(アカマツもほぼ同じですが)の花粉の飛散は普通4〜6月とされていますが、勿論生育池、気候、個体差によってもバラツキはあります。
雌花は新梢(シュート)の先端に形成され、雄花は新梢の基部に作られます。両花は成熟の時期が必ずしも同調せず、雄花の方が先行します。この関係については本コーナー登録番号3769を読んでください。花粉が長期にわたって飛散するのは受粉可能な期間を長くできるからでしょう。雄花は束のようになって1箇所に沢山作られます。このような束が沢山の新梢の基部にできるのですから、一本の樹の雄花の数は沢山あります。飛散する花粉量が多いということは、個々の雄花にできた花粉の量が多いということもあると思いますが、雄花の数が多いのでしょう。これら雄花はある時期に「セーイの!」と一斉に花粉を放出するのではなく、1花づつ時期を違えて放出します、それが2〜3月続くわけです。しかし、一つの花に注目すれば花粉を放出した後は、役目を終えて枯れてしまいます。したがって、一本の樹にできた雄花がそれぞれ花粉を放散し終わるまで花粉の飛散は続きます。しかし、初めから終りまで毎日多量の花粉が放出されることはないでしょう。初めと終わりの時期は少ないはずです。
なお、受粉した雌花はまつかさになるのですが、種子ができるのは翌年の10月頃です。また、ある研究報告(*)によると新しいクロマツの花芽は7月の下旬頃形成され始め9月の中旬にははっきり分かるようになるそうです。これらの花芽は越冬芽となって寒期を過ごし、翌年の春に大きく成長し始めます。
*郷正士 アカマツ、クロマツの花芽の分化「日本林学会誌』43:306-309 (1961)
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。都会では洗濯物は乾燥機で乾かしてしまうことが多いですが、日光の下で干してしっかり乾かした洗濯物は爽やかな陽光の香りみたいなものが感じられていいですね。しかし、最近は黄砂や空気汚染もあって、いつも外で干すというわけにはいかないこともあります。ご質問のように花粉の飛散で困る場合もあります。さてクロマツ(アカマツもほぼ同じですが)の花粉の飛散は普通4〜6月とされていますが、勿論生育池、気候、個体差によってもバラツキはあります。
雌花は新梢(シュート)の先端に形成され、雄花は新梢の基部に作られます。両花は成熟の時期が必ずしも同調せず、雄花の方が先行します。この関係については本コーナー登録番号3769を読んでください。花粉が長期にわたって飛散するのは受粉可能な期間を長くできるからでしょう。雄花は束のようになって1箇所に沢山作られます。このような束が沢山の新梢の基部にできるのですから、一本の樹の雄花の数は沢山あります。飛散する花粉量が多いということは、個々の雄花にできた花粉の量が多いということもあると思いますが、雄花の数が多いのでしょう。これら雄花はある時期に「セーイの!」と一斉に花粉を放出するのではなく、1花づつ時期を違えて放出します、それが2〜3月続くわけです。しかし、一つの花に注目すれば花粉を放出した後は、役目を終えて枯れてしまいます。したがって、一本の樹にできた雄花がそれぞれ花粉を放散し終わるまで花粉の飛散は続きます。しかし、初めから終りまで毎日多量の花粉が放出されることはないでしょう。初めと終わりの時期は少ないはずです。
なお、受粉した雌花はまつかさになるのですが、種子ができるのは翌年の10月頃です。また、ある研究報告(*)によると新しいクロマツの花芽は7月の下旬頃形成され始め9月の中旬にははっきり分かるようになるそうです。これらの花芽は越冬芽となって寒期を過ごし、翌年の春に大きく成長し始めます。
*郷正士 アカマツ、クロマツの花芽の分化「日本林学会誌』43:306-309 (1961)
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2021-05-13