一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ツノハシバの葉の中央に付く模様について

質問者:   一般   yosishun
登録番号5078   登録日:2021-05-17
ツノハシバミの葉は中央に夏になると消えてしまう黒っぽい模様がありますが、この模様の化学物質は何で、模様が消えてしまう理由は何か、教えてください。抗酸化作用と関係がありますか?
yosishun様

みんなのひろば「植物Q&A」へようこそ。
質問を歓迎します。
アントシアニンをはじめとする植物色素の研究が専門の吉田久美博士(名古屋大学大学大学院情報学研究科、教授)に回答をお願いしました。

【吉田先生の回答】
お問い合わせありがとうございます。私自身は実物の葉を見たことがありません。
インターネットなどで画像を見てみました。
データベースなどを調べましたが、この現象についての論文は見つけることができませんでした。
従って、写真とそれについての説明を見た限りでの、私の意見になりますので、ご了解ください。
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多分、色からいってアントシアニン系の色素ではないかと考えられます。たとえばシソ葉の紫色、カナメモチやモミジなどの若葉の赤色も同様です。オキザリス(カタバミ科)にも紫色の葉や紫色の模様の出る葉があります。
アントシアニンは若葉や老いた葉で生合成される場合があり、この葉の場合もその可能性があります。若葉の場合、成長とともにアントシアニンは無くなります。老いた葉(紅葉)の場合は、老化とともにクロロフィルが分解されてアントシアニンが貯まってきます。
このように、アントシアニン系色素は、成長の時期によって、生合成されて貯まったり、消失したりしますが、
その理由については、抗酸化性なども言われていますが、まだはっきりとは明らかにされていません。
吉田 久美(名古屋大学大学大学院情報学研究科)
JSPPサイエンスアドバイザー
櫻井 英博
回答日:2021-06-19
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