一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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つる植物の巻きひげに関する用語について

質問者:   自営業   ティン
登録番号5107   登録日:2021-06-09
はじめまして。
「植物なんでも事典(柴田規夫 著)」という本を読んでいたところ、ウリ科などのつる植物が他の物体に巻きひげを巻きつけるときは螺旋状に巻いていくが、その中間あたりから巻きの方向が逆になるところがあり、そこを旋反点(せんぱんてん)というということが書かれてありました。
その旋反点についてもっと知りたいと思いインターネットで調べていくと、旋反点ではなく反旋点(はんすうてん)と呼んでいるものが多くありました。

そこで質問なのですが、旋反点、反旋点という二つの用語はどちらを使用しても問題ないのでしょうか?
ティン様

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。

植物の巻きひげの研究をしたダーウィンはこのような巻く方向の転換を観察しており、方向の変わる場所を「perversion point」と呼んでいました。現在では調べた限り、英語は「counter-turining point」、「counter-rotaion point」「counterclockwise point」(時計回りの巻き方向が逆になる場合)などが使われています。
さて、日本語は確かにほどんどの場合「反旋点(ハンスウテン)」で、「旋反点」はないようです。いずれにしても、これらは日英ともに学術上の専門用語ではないようです。したがって、一番良く使われている言葉を使うのがいいのかもしれません。ただ、『ハンスウテン」という読み方は漢字の読み方としては正しくないのではないでしょうか。「旋」をスウと読ませることは他に例を知りません。意味的には「旋回(センカイ)」、「旋転(センテン)」のことを指しているわけですから、本来は「ハンセンテン」と読ませるべきのように思います。その点、「旋反転(センハンテン)の方が「旋回が反転する点」ということでより適切だと私には思えます。どなたかが学術的な用語としてではなく「反旋点(ハンスウテン)」という言葉を使ってそのまま定着したのではないでしょうか。
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2021-07-07
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