一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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バラの花びらのペタル効果について

質問者:   会社員   がい
登録番号5115   登録日:2021-06-14
バラの花びらに見られるペタル効果は、バラが生きていく上でどのようなメリットになっているのでしょうか。進化の過程や生存戦略上、バラがこのような表面構造を獲得したことの意味を知りたく質問させていただきました。
がい さん

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
登録番号5016の回答でご説明したようにペタル効果、ロータス効果が現れる原因は純粋に物理的現象です。葉や花弁表面の突起構造の分布の違いによるものですが、どちらの効果においても水滴は葉あるいは花弁表面の突起状構造の上に支えられている状態です。つまり、ペタル効果では水滴は花弁の実質的な表面(表皮)に接触しないで花弁表面を覆っていることになります。したがって、花弁表皮周辺の水蒸気濃度が高くなることは考えられますが、それによる表皮からの水吸収が生理的に意味のあるほどとは思えません。
これらの構造状の違いは長い進化の過程で選択されてきた多様な形質の一つと理解出来るものですが、どのような環境の選択圧によるかは分かりません。
今関 英雅(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2021-07-14
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