一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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ホウセンカの葉が枯れ始めた理由

質問者:   小学生   サクラ2
登録番号5175   登録日:2021-07-31
ホウセンカを、遮光シート(白1枚、白2枚、黒1まい)と日光だけでいま、調べています。三日前に急に、遮光シート白1枚を被せたものが葉が黄色、赤っぽくなり、落ち始めました。土もひりょうも、水の量も、4つとも同じようにやっていました。また、今まで、この4つで大きさを比較してきましたが、一番大きく育ちげんきだったので、理由が知りたいです。照度が関係していますか??家に照度けいがあるので、今日、朝、測りましたが、やはり、何も被せて院内ものが一番照度が高かったです。
サクラ2 さん

ご質問をありがとうございます。
次の4つの光条件の下でホウセンカの育ちかたを比べておられるようですね。
(4つの光条件):
➀遮光シートのないもの、②白い遮光シートを1枚かけたもの、③白い遮光シートを2枚かけたもの、④黒い遮光シートを1枚かけたもの。

回答文を書く前に、整理のために、実験方法について質問させていただきます。
1)土・肥料・水分についてはすべての場合に同じになるようにしたと書かれていますが、温度や風通しの条件についてはどうでしょうか。遮光シートを上から被せた場合、被せ方によっては風通しが悪くなり、日中に植物体のまわりの温度が高くなることによって生長が影響を受ける心配があります。

2)遮光シートをかけた時期はいつですか。例えば種子の発芽の段階からでしょうか、それとも、植物体が一定の大きさに育ってからでしょうか。

3)選ばれたそれぞれの光条件(①~④)下に、複数の個体が植えられているのでしょうか。

4)それぞれの光条件について、日中の同じ時刻に計った照度を数値として比較するとどのようになりますか。

1)~4)のようなことが分かっていると回答しやすいのですが、ここでは以下のように問いかけることによって回答に近づきたいと考えております。
まずは「一番大きく育って元気であった(白い遮光シートを1枚被せた)ホウセンカだけが、急に、葉の色を黄色や赤色に変化させ、落葉をはじめた」との事実、これには何か特別な事情がその個体にあったものと思われます。気になるのは、同じ光条件下で育っている他の個体にも同じことが起きているかどうかです。もし同じ条件下のすべての個体で同じように落葉化が起こっているとすれば、光の強さが原因である可能性が高まると思います。しかし、光の強さを少しだけ弱めた条件(②の条件)の時にだけで落葉化の現象が起こって、より光が強い条件(①の条件)場合とより光が弱い条件(③と④の条件)の場合の両者では落葉化がみられなかったことを説明するためにはもう少しデーターが必要です。
何れにしても、全個体的に緑の色素(クロロフィル)が失われて落葉化して行くことは植物にとっては重大事、根など植物体のおもな部分が害虫(線虫など)などの被害を受けるていることはないでしょうか。落葉化が起こっている個体と健全な個体を良く比較して観察し、何かヒントを見つけてください。
以上、回答になっておりませんが、問題点を整理することで回答文とさせていただきます。

なお、ホウセンカの葉などの色素については本コーナーの登録番号2207のQ&Aで扱われていますので、参考にしてください。また、登録番号5173のQ&Aでは深く関連するテーマが扱われておりますので、ご一読ください。
佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2021-08-18