一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ホウセンカ花の色

質問者:   小学生   はるか
登録番号5210   登録日:2021-08-23
ホウセンカについて教えてください。
同じ茎から違う色の花(紫と赤っぽいピンク)が咲きました。
調べてみても同じ茎から「違う色の花が咲く」ということについて載っていませんでした。
小学校で種から育てたものを自宅で育てています。
観察日記をつけていたので原因など知りたいです。

はるか様

植物Q&Aのコーナーを利用下さりありがとうございます。
小学3年生には難しい回答になってしまいましたが、お父様かお母様に説明して頂いて下さい。

はじめ質問内容を読んだときには、どのようなことなのか良くわかりませんでしたが、写真を送って頂き理解できました。わき芽(側芽)が伸びだしてできた側枝についた花が濃い色だったということですね。写真の中の2本の側枝のうち片方のものだけが濃い色の花をつけていますので、側枝でもすべての側枝の花が濃くなっているわけではないようです。恐らく濃い花をつけた側枝は枝変り(芽条突然変異)によるものではないかと思います。
葉腋にある側芽の原基が分裂して側芽になり、先端が分裂と伸長を繰り返すことによって側枝になります。その分裂細胞に突然変異がおき、他の部分と異なる性質を示すことを枝変りといいますが、この場合は花の色素(ホウセンカの場合はアントシアニン)の蓄積に関係した遺伝子の変異が起きたのではと考えられます。あるいは、色素の合成の低い品種では、遺伝子の変異ではなく、生理的条件によって色素の合成が高まることで枝変りがおきることがあるようです。観察に使われたホウセンカは淡い色の花をつける品種のようですので、色素の合成が低いと思われますので、この可能性も否定できません。
以上、アントシアニンの濃度による可能性をあげましたが、アントシアニンには赤色のものから、青色のものまでいろいろ種類があります。また、pHなどで色調が変わります。それらの可能性も否定はできません。観察されたものがどれにあたるかは調べてみないとわかりませんが、枝変りによるものだろうとは思います。
枝変りについては、本コーナーの登録番号0941 にも説明がありますので、ご覧になって下さい。

庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2021-09-18
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