質問者:
会社員
さとう
登録番号5219
登録日:2021-09-03
お世話になっております。みんなのひろば
葉っぱ内での気孔の分布
家庭菜園で野菜を育てているときに誤って葉っぱの先端部を切断してしまいました。その際にふと気になったことを質問させてください。
植物は気孔を使って呼吸をしていますが、葉っぱ内での気孔の分布はどうなっているのでしょうか。例えば葉っぱの根本の方に多く気孔が集中しているとか、逆に先端の方は気孔の数が少なかったりするとか、位置によって密度が異なるのでしょうか。
さとう 様
この質問コーナーをご利用いただきありがとうございます。
まずは、一般論として書くことからから始めます。➀葉の発生の仕組みから考えると、気孔が形成されるのは表皮細胞がまだ分裂の機能をもった「原表皮」の段階に始まり、表皮が完成されるとともに気孔の構造は完成されて行きます。したがって、葉において細胞分裂が盛んな部位において気孔密度が高いことが期待されます。②一方、生理的な側面から考えると、光合成の活性が高い部分や水分供給の多い部分で気孔の働きが重要になるので、そのような部位で気孔密度が高いことが期待されます。
ところで、大雑把には葉において気孔は平均として均一に分散する傾向にあると言えますが、より具体例に個々の場合について詳しく見ると、葉に分布する気孔の数・葉の表裏への気孔の分布比率・気孔の密度などは、植物の種類・発生の段階・植物の生育環境などによって大きく違って来るのが実態のようです。種類による違いについて言えば、シュウカイドウ属(Begonia)植物の葉では気孔が群がって存在していたり、禾本科植物であるネザサなどでは平行脈に沿って平行分布していることなどの例が良く知られています。
気孔の分布を調べるのは比較的簡単なことですので、問題の野菜について、観察によって確かめてみられることをお勧めします。なお、本質問コーナーには「気孔」や「気孔の分布」に関する数多くのQ&Aが登録されておりますので、それら方もご参考になさってください。
この質問コーナーをご利用いただきありがとうございます。
まずは、一般論として書くことからから始めます。➀葉の発生の仕組みから考えると、気孔が形成されるのは表皮細胞がまだ分裂の機能をもった「原表皮」の段階に始まり、表皮が完成されるとともに気孔の構造は完成されて行きます。したがって、葉において細胞分裂が盛んな部位において気孔密度が高いことが期待されます。②一方、生理的な側面から考えると、光合成の活性が高い部分や水分供給の多い部分で気孔の働きが重要になるので、そのような部位で気孔密度が高いことが期待されます。
ところで、大雑把には葉において気孔は平均として均一に分散する傾向にあると言えますが、より具体例に個々の場合について詳しく見ると、葉に分布する気孔の数・葉の表裏への気孔の分布比率・気孔の密度などは、植物の種類・発生の段階・植物の生育環境などによって大きく違って来るのが実態のようです。種類による違いについて言えば、シュウカイドウ属(Begonia)植物の葉では気孔が群がって存在していたり、禾本科植物であるネザサなどでは平行脈に沿って平行分布していることなどの例が良く知られています。
気孔の分布を調べるのは比較的簡単なことですので、問題の野菜について、観察によって確かめてみられることをお勧めします。なお、本質問コーナーには「気孔」や「気孔の分布」に関する数多くのQ&Aが登録されておりますので、それら方もご参考になさってください。
佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2021-09-10