一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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プロトプラストの収率の測定の方法について

質問者:   高校生   シュリンプ
登録番号5281   登録日:2021-11-19
SSHでプロトプラスト・細胞融合の研究を行っています。プロトプラストの収率を調べたいのですが、血球計算盤や自動セルカウンターを用いる方法以外にどのような測定の方法があるのかを知りたいです。(学校に血球計算盤や自動セルカウンターがないです。)
シュリンプさん

みんなのひろば「植物Q&A」へようこそ。
質問を歓迎します。
回答は、植物細胞の分化全能性について研究している、長田敏行博士(東京大学・法政大学名誉教授)にお願いしました。

【長田先生の回答】
「プロトプラストの収率を知りたい」ということですが、細胞数を知りたいということでしょうか。その目的ですと、血球計算盤が最も安価な手段で、自動セルカウンターが最も高価です。自動といっても自動で測れるわけではなく、要するに細胞懸濁液の体積当たりの細胞数(密度)を測定することになります。それ以外にないわけではなく、密度ですから、希釈法で、単位体積の全数を数えればよいわけですが、プロトプラストのように容易に沈降するものの測定は難しく、熟練者でも相当難航するでしょう。とすると、「高校に備わっていない」ということですが、血球計算盤が最も安価です。SSHで、電気融合ということでしたら、それに相当の資金が投入されていることを思うと、それに比べたら、決して高くはないと思います。上記の回答を踏まえた上、プロトプラストの収率を調べる方法について、SSHの先生と相談することをお勧めします。
長田 敏行(東京大学・法政大学名誉教授)
JSPPサイエンスアドバイザー
櫻井 英博
回答日:2021-12-24