質問者:
一般
にゃん(=^・^=)
登録番号5315
登録日:2022-01-11
今年初めてヨルガオを育てて、種が出来て収穫しました。みんなのひろば
ヨルガオの種の殻はいつ破れるのか
白い種が硬い殻の中に4個程度入っていますが、例えば椿等のように殻が割れて種が外に飛び出した物は一つもありません。(割れ目は有ります)なので殻を壊して種を出しました。
自然界で、種が出来たときどのような条件が揃ったら種が殻から出てくるのでしょうか?
それとも殻に入ったまま発芽して突き破るのでしょうか。
教えて下さい、よろしくおねがいします。
にゃん(=^・^=)様、
こんにちは。日本植物生理学会の植物Q&Aコーナーに寄せられたあなたのご質問「ヨルガオの種の殻はいつ破れるのか」にお答えします。
私の経験では、ヨルガオの蒴果の果皮(殻に相当する)はそれほど硬いものではなく、近縁のアサガオと同じように、十分乾燥した果皮は断片同士の接着面(果実の「割れ目」のように見える)が分離して開裂し、種子は容易に取り出せます。ただ、ツバキのように木についたまま、あるいは、地に落ちて自ら割れて種子がこぼれ落ちるかどうかは分かりません。ただし、ヨルガオの果実が成熟する時期はアサガオと比較するとかなり遅いので、つい早めに収穫してしまうかもしれません。もし、未熟果を収穫したのであれば、種子は取出しにくかっただろうと思います。
ヨルガオの果実は種子が外に出てこられないほど硬いとは思われないのですが、実際に種子発芽が困難なほどに硬い果実を作る植物も少なくありません。例えば、ノイバラでは壺状の偽果(いわゆるローズヒップ)の中に真の果実(痩果)があり、それに種子が入っていますが、この痩果は大変硬く、種子発芽を困難にしています。痩果は二つのお椀を向かい合わせたような構造をしており、その接着面の細胞を組織崩壊酵素で処理して壊してやると痩果は二つに割れて、中の種子は容易に発芽するようになります。このことから自然界では土壌微生物の分泌する酵素で痩果が割れて種子が発芽するのだろうと推測されています。
「殻に入ったまま発芽して突き破るのか」と推測しておられますが、そのようなこともあります。例えば、開裂して種子を散布することのないクチナシの果実では、私の観察では、果実ごと土に埋めておくと種子は果実に入ったまま発芽して果皮を突き破って出てきました。この場合も、土壌微生物の酵素で硬い組織が軟化して種子発芽を可能にしていることが考えられます。
こんにちは。日本植物生理学会の植物Q&Aコーナーに寄せられたあなたのご質問「ヨルガオの種の殻はいつ破れるのか」にお答えします。
私の経験では、ヨルガオの蒴果の果皮(殻に相当する)はそれほど硬いものではなく、近縁のアサガオと同じように、十分乾燥した果皮は断片同士の接着面(果実の「割れ目」のように見える)が分離して開裂し、種子は容易に取り出せます。ただ、ツバキのように木についたまま、あるいは、地に落ちて自ら割れて種子がこぼれ落ちるかどうかは分かりません。ただし、ヨルガオの果実が成熟する時期はアサガオと比較するとかなり遅いので、つい早めに収穫してしまうかもしれません。もし、未熟果を収穫したのであれば、種子は取出しにくかっただろうと思います。
ヨルガオの果実は種子が外に出てこられないほど硬いとは思われないのですが、実際に種子発芽が困難なほどに硬い果実を作る植物も少なくありません。例えば、ノイバラでは壺状の偽果(いわゆるローズヒップ)の中に真の果実(痩果)があり、それに種子が入っていますが、この痩果は大変硬く、種子発芽を困難にしています。痩果は二つのお椀を向かい合わせたような構造をしており、その接着面の細胞を組織崩壊酵素で処理して壊してやると痩果は二つに割れて、中の種子は容易に発芽するようになります。このことから自然界では土壌微生物の分泌する酵素で痩果が割れて種子が発芽するのだろうと推測されています。
「殻に入ったまま発芽して突き破るのか」と推測しておられますが、そのようなこともあります。例えば、開裂して種子を散布することのないクチナシの果実では、私の観察では、果実ごと土に埋めておくと種子は果実に入ったまま発芽して果皮を突き破って出てきました。この場合も、土壌微生物の酵素で硬い組織が軟化して種子発芽を可能にしていることが考えられます。
竹能 清俊(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2022-03-26