一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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雌性配偶体(胚乳)の遺伝子組成

質問者:   一般   ayame
登録番号5333   登録日:2022-02-07
種子の組織培養をしていて気になる点を質問します。種子胚の遺伝子組成については、親の植物とは遺伝的に異なり、個々の種子間でも異なるのはわかりますが、雌性配偶体や胚乳について教えていただきたく質問しました。お聞きしたいのは、種子胚同様に、個々の種子ごとに遺伝子組成が異なるのでしょうか。また、内種皮や外種皮については親と同じ核相で同じ遺伝子組成なのでしょうか。
ayame様

 こんにちは。日本植物生理学会の植物Q&Aコーナーに寄せられたあなたのご質問「「雌性配偶体(胚乳)の遺伝子組成」にお答えします。
 
 雌性配偶体(胚嚢)は、胚嚢母細胞が減数分裂した結果生じるもので、減数分裂の過程で相同染色体の分配がランダムに起こることと、相同染色体間の交叉が起こることによって遺伝子組成の異なるものが生じることになります。胚乳は重複受精の結果生じるものですから、胚と同じように、遺伝子組成は親の植物とも異なり、個々の種子間でも異なります。
 内種皮や外種皮は、胚嚢を包む胚珠の内珠皮や外珠皮が変化したもので、減数分裂も重複受精も経ていませんから、核相も遺伝子組成も親と同じです。
竹能 清俊(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2022-03-31
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