質問者:
自営業
Jake
登録番号5393
登録日:2022-06-19
植物は、みんなのひろば
CAM型植物が水を吸い上げる時について
・日中は気孔からの蒸散作用による負圧
・夜間はイオン濃度差による根圧
の2つを使って水分を吸い上げていると知りました。
しかし、CAM型植物たちは日中気孔を閉じ、夜間気孔を開いています。
日中は水を吸わず、夜間に蒸散・負圧とイオン濃度差・根圧の両方を使って水を吸っているのでしょうか?
Jake さん
この質問コーナーをご利用いただきありがとうございます。興味深い着眼点だと思います。
ご存知の知識を整理すると、大局的には、植物は(A)体表面に存在する気孔からの蒸散によって生ずる圧力(負圧)と(B)エネルギーを利用して行われる養分吸収の結果として生ずる細胞内外のイオン濃度差を駆動力とした圧力(正圧)により、体内に水分を取り入れて吸い上げていると言えるかと思います。地上部における気孔の開閉がシグナルとなって瞬時に根における吸水力が制御されるとは考えにくく、基本的には(A)と(B)は独立した事象として起こっているものと理解されます。ただし、両者は体内に分布する水分子の間に働く凝集力(水素結合力)を介して強く結びつけられています。この連関の乱れが植物体の昼間の萎れや夜間の膨潤となって現れることになります。
CAM植物の場合、気孔が開く夜間に吸水力が強まることが予想されますが、吸水は夜間にだけ起きるわけではないと思います。昼夜移行の際に吸水力がどのように変動するかについての実験結果があると良いのですが、今回は見つけることができませんでした。なお、貯水組織を備えて多量の水を蓄えているサボテンなどの多肉植物の場合には、もぎ落されて吸水できない状態に置かれても短期的には生理作用を営むことができますが、このような際に気孔の開閉はどうなっているのでしょうかね。
この質問コーナーをご利用いただきありがとうございます。興味深い着眼点だと思います。
ご存知の知識を整理すると、大局的には、植物は(A)体表面に存在する気孔からの蒸散によって生ずる圧力(負圧)と(B)エネルギーを利用して行われる養分吸収の結果として生ずる細胞内外のイオン濃度差を駆動力とした圧力(正圧)により、体内に水分を取り入れて吸い上げていると言えるかと思います。地上部における気孔の開閉がシグナルとなって瞬時に根における吸水力が制御されるとは考えにくく、基本的には(A)と(B)は独立した事象として起こっているものと理解されます。ただし、両者は体内に分布する水分子の間に働く凝集力(水素結合力)を介して強く結びつけられています。この連関の乱れが植物体の昼間の萎れや夜間の膨潤となって現れることになります。
CAM植物の場合、気孔が開く夜間に吸水力が強まることが予想されますが、吸水は夜間にだけ起きるわけではないと思います。昼夜移行の際に吸水力がどのように変動するかについての実験結果があると良いのですが、今回は見つけることができませんでした。なお、貯水組織を備えて多量の水を蓄えているサボテンなどの多肉植物の場合には、もぎ落されて吸水できない状態に置かれても短期的には生理作用を営むことができますが、このような際に気孔の開閉はどうなっているのでしょうかね。
佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2022-06-24