一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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朝顔の花 中心部からもう一枚ふわっと花びらが

質問者:   その他   Jasmin
登録番号5479   登録日:2022-09-28
種から育てた朝顔です 大輪です
今朝 深い青と白の見事なバイカラーの花を咲かせていました
本当に見事な綺麗な大輪でした
記念に写真を撮っておこうと思って
カメラを近づけたら花の中心部から
紫と白のバイカラーのクルッとカールしたような花びらが一枚出ていました
こんなのは初めてでびっくりしました
原因を知ろうとネットで調べましたが分かりませんでした
遺伝子の問題なのか 気候の問題なのか?
以前、SNS で朝顔ではありませんが
他の花でこのような現象を
不思議がっていた投稿がありました
原因を教えていた頂ければ幸いです
写真が必要ならば送れます

Jasmin様

こんにちは。日本植物生理学会の植物Q&Aコーナーに寄せられたあなたのご質問「朝顔の花 中心部からもう一枚ふわっと花びらが」にお答えします。

 写真を拝見しました。これらの写真を見る限り、雄蕊が花弁化したものと思われます。正常な雄蕊も写っていますので、本来5本ある雄蕊のうちの1本または2本が(どちらであるかは写真でははっきりわかりません)花弁に変化したのでしょう。花を切り開いて、花弁化したと思われるものの基部が正常な雄蕊の基部と似ているか、花弁基部の同じような位置から出ているかを調べればはっきりしたことが分かります。雄蕊が花弁化することは時々起こることで、他の種でも見られます(本質問コーナーの登録番号1910 などをご覧ください)。花は雌蕊、雄蕊、花弁、萼片の4種類の花器官から出来ていますが、花が形成されるごく初期に遺伝子の働きでどれになるかが決定されます(ABCモデルで検索してみてください)。このとき稀に遺伝子の働きに誤りが起こり、雄蕊になるべきものが花弁になってしまうということが起こりえます。全ての雄蕊が必ず花弁に変化する系統もあり、これは突然変異体ですが、あなたが観察されたような場合は偶然の誤りの結果と考えていいでしょう。気候などの環境要因がこのような現象を引き起こすことは無いと思います。
竹能 清俊(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2022-10-03