ユリの花粉様

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ユリの花粉は衣類に付くと中々汚れが取れませんね。それで花粉が飛び出す前に早々と葯（質問では「苞」と書かれていますが「葯（やく）」と理解します）を除去されたのでしょう。ユリに限らず花は次世代に繋ぐための種子を作る重要な器官です。一般的な花では、開花（花弁が開く）する時は雌蕊と雄蕊は受粉・授粉の準備が整っています。つまり、花弁も雄蕊も雌蕊もほぼシンクロナイズして成熟します。もちろん、厳密に言うと種によって（例えば自家受精しない花など）雄蕊と雌蕊とで成熟時期がずれることがあります。「ユリの花粉」さんが葯を除去された蕾はどの成長段階にあったものなのかは分かりませんが、少し開いて中の葯を取り除いたと言うことですので、おそらく開花直前だったのではないでしょうか。未熟な蕾なら花弁を傷つけないで中から葯を切り取ることは難しいでしょう。
葯を除いた花はいつ開花しましたか？　おそらく「ユリの花粉」さんが切り取った葯の中の花粉はほぼ成熟の最終段階にあったのでしょう。ゴミ箱は幸い湿度と温度とが花粉の成熟を完成させるのに十分だったと思われます。
植物の器官や組織は切除しても簡単には死にません。適当な環境条件さえ整っていれば、かなり長く活かして置くことができますし、その間に成長を続けることもできます。花粉は単独でいわば多細胞体とも見なせる細胞で、けっこうタフです。ユリの花粉は、種類にもよりますが、封筒に入れて保存しても数ヶ月は生きているという報告があります。
質問では「ユリ」と書いてありますが、ユリにはたくさんの種類があります。葯の色も花粉の色も同じとは限りません。登録番号3496, 5501を読んで下さい。