質問者:
一般
りんご
登録番号5561
登録日:2023-02-03
露地栽培とハウス栽培の野菜は味が違うと言います。また露地栽培の野菜のほうが長持ちすると聞きました。みんなのひろば
露地栽培とハウス栽培の野菜の違い
それは本当でしょうか 違うとすればなぜ違うのですか?
露地の霜に当たったホウレンソウが甘いという仕組みは理解したつもりです。
りんご 様
ご質問、有り難うございます。
園芸作物の専門家ではございませんが、植物生理学の観点からお答え致します。ハウス栽培は、環境を植物にとって快適な状態で栽培するもので、温度や栄養・水分は勿論、光量・光質や日長などを制御していますので、お金はかかりますが植物はストレスなしに成育できます。一方で露地栽培では、低温、高温、強光、弱光、水不足や過剰、塩害、風による他個体との接触、さらには病虫害や動物による捕食など、ありとあらゆるストレスにさらされる可能性があります。植物は、ストレスを甘んじて受けているわけではなく、可能な限り、様々な機能を駆使して抵抗します。例えば、低温や凍結には、糖類(しょ糖など)等を体内に蓄積して水分の喪失を防ぎます。塩害の場合も、糖類や特殊なアミノ酸等の浸透圧を高めるような物質を蓄積して、抵抗します。これらの場合は、しょ糖が多くなるので、おいしく(甘く)なりますね。虫の食害を受けた場合、主にアブラナ科の作物(白菜、カブ、大根などです)では、辛み成分(ワサビの成分、イソチアネートと言います)を蓄積して、虫に抵抗します。また、虫の天敵を呼び寄せる物質を揮発して、退治して貰うこともあります。ストレスが厳しい場合は、植物全体の成長を遅らせて、小さいままで過ごす場合もあります。
このように露地栽培では、環境に適応したり、他の生物と情報交換をしたりと、かなり能動的に活動しています。露地栽培の野菜は、既に様々なストレスに抵抗できる代謝のスイッチが既に入っていますので、ハウス野菜よりは長持ちする(水分や栄養成分の維持とか、病害抵抗性とかの面で)はずです。
一方で、ハウス栽培は、いわゆる温室育ちで弱々しいものの、収穫量はいつも計算できるメリットがあります。環境維持のためのお金がかかりますので、高価格でも流通できるような野菜が選ばれていると思います。
ご質問、有り難うございます。
園芸作物の専門家ではございませんが、植物生理学の観点からお答え致します。ハウス栽培は、環境を植物にとって快適な状態で栽培するもので、温度や栄養・水分は勿論、光量・光質や日長などを制御していますので、お金はかかりますが植物はストレスなしに成育できます。一方で露地栽培では、低温、高温、強光、弱光、水不足や過剰、塩害、風による他個体との接触、さらには病虫害や動物による捕食など、ありとあらゆるストレスにさらされる可能性があります。植物は、ストレスを甘んじて受けているわけではなく、可能な限り、様々な機能を駆使して抵抗します。例えば、低温や凍結には、糖類(しょ糖など)等を体内に蓄積して水分の喪失を防ぎます。塩害の場合も、糖類や特殊なアミノ酸等の浸透圧を高めるような物質を蓄積して、抵抗します。これらの場合は、しょ糖が多くなるので、おいしく(甘く)なりますね。虫の食害を受けた場合、主にアブラナ科の作物(白菜、カブ、大根などです)では、辛み成分(ワサビの成分、イソチアネートと言います)を蓄積して、虫に抵抗します。また、虫の天敵を呼び寄せる物質を揮発して、退治して貰うこともあります。ストレスが厳しい場合は、植物全体の成長を遅らせて、小さいままで過ごす場合もあります。
このように露地栽培では、環境に適応したり、他の生物と情報交換をしたりと、かなり能動的に活動しています。露地栽培の野菜は、既に様々なストレスに抵抗できる代謝のスイッチが既に入っていますので、ハウス野菜よりは長持ちする(水分や栄養成分の維持とか、病害抵抗性とかの面で)はずです。
一方で、ハウス栽培は、いわゆる温室育ちで弱々しいものの、収穫量はいつも計算できるメリットがあります。環境維持のためのお金がかかりますので、高価格でも流通できるような野菜が選ばれていると思います。
山谷 知行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2023-02-06