一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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被子植物の胚のうの形成

質問者:   高校生   猫田
登録番号5578   登録日:2023-03-04
高校の生物の授業で被子植物の胚のうの形成について少し疑問に思ったことがありましたので、質問させていただきます。

高校の生物の教科書(数研出版)において、被子植物では胚のう細胞が核分裂することで胚のうが形成されるとあります。
核分裂だけで細胞膜は形成されないと思うのですが、胚のうの図では反足細胞、卵細胞、助細胞などとそれぞれが細胞膜に囲まれた細胞として示されています。この細胞膜はどのようにいつ形成されたのでしょうか。
また、胚のう細胞の核分裂により反足細胞などの細胞が形成されることは体細胞分裂に該当するのでしょうか。

よろしくお願いいたします。
猫田様

こんにちは。日本植物生理学会の植物Q&Aコーナーに寄せられたあなたのご質問「被子植物の胚のうの形成」にお答えします。

「胚のう細胞が核分裂することで胚のうが形成される」という表現をそのまま読み取れば、8核になった段階の単細胞を胚嚢と呼んでいることになりますが、普通は核分裂後に細胞質分裂が起こって反足細胞、卵細胞、助細胞などになったものを胚嚢と呼んでいます。これらの細胞の細胞膜がどのようにいつ形成されるかは、本Q&Aコーナーの登録番号2771, 2512に詳しく解説されていますので、これらをご覧ください。胚嚢細胞の分裂により反足細胞などが形成される過程は一般的な体細胞分裂とは異なりますが、核相の減数を伴わないという点で体細胞分裂に該当します。

竹能 清俊(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2023-03-28
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