質問者:
自営業
西園寺
登録番号5612
登録日:2023-04-19
農業で、地球温暖化対策をする方法はないのか疑問に思いました。そこで緑肥栽培の緑肥に二酸化炭素の吸収量、または酸素の排出量が多い植物を使えばいいのではないかと思い質問させていただきました。緑肥に出来て二酸化炭素の吸収が多いまたは、酸素の排出量の多い植物を探しています
※緑肥栽培というのは、植物を肥料として利用する栽培方法です。
よく使われるのは、ヘアリーベッチや
レンゲなどです。
出来ればいいですが、条件として
1 マメ科やイネ科
2 あまり大きくならないで農業に利用出来るもの
だと嬉しいです。
西園寺 様
ご質問、ありがとうございました。
緑肥に関しまして、農林水産省の研究機関である農研機構から、緑肥利用マニュアルという本が刊行されています。Webからダウンロード可能ですので、下記をご覧下さい。
<https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/ryokuhi_manual_ca
rc20221007.pdf> 緑肥利用マニュアル (naro.go.jp)
また、下記のサイトも読みやすくまとめられています。
<https://agri.mynavi.jp/2018_06_02_28405/> 緑肥とは?主要な緑肥作物の種類と有効な使い方・メリットやデメリットなど紹介|マイナビ農業 (mynavi.jp)
ご質問のタイトルにありました「二酸化炭素の吸収が多いまたは、酸素の排出量の多い植物」とは、光合成が活発であることと同義ですが、植物間で多少差はあるかもしれませんが、その土地や環境で旺盛に成育できる植物であれば、この条件を満たしていると思われます。マニュアルにも書かれていますが、多くの植物が実際に活用されていていますので、目的にあった植物を選ぶのが宜しいかと思われます。緑肥は、いわゆる肥料としての栄養補給(化学肥料を減らすことができますね)以外にも、土壌病害の抑制(アブラナ科植物に多く含まれますイソチオシアネートに代表される辛み成分が抗菌作用をします)や、有害線虫の抑制(機構は様々ですが、マリーゴールドやエンバク、赤くローバーなど)、雑草種子発芽や成育抑制(ソルガムなど)などなど、利点が多く認められているようです。化学肥料や農薬使用量を減らせば、地球温暖化抑制に直結しますので、緑肥の活用はとてもいいアイディアだと思います。一方で緑肥となる植物の栽培には、種子購入や栽培管理などのコストがかかりますし、場合によっては害虫発生を生みだすこともありますので、目的の土地や環境に見合った十分な計画が必要かと思われます。植物のサイズや種類などに関しましては、上記のサイトをご覧下さい。
私は仙台在住ですが、宮城県でのイネの生産調整が行われていた頃、イネの裏作にダイズを奨励していました。ご承知のようにダイズはマメ科で窒素固定をします。翌年、イネを栽培した際に、通常通りの施肥をして窒素過多になり、台風の時期に収穫前のイネがばたばた倒れていたのを目にしました。緑肥を肥料として利用する際は、どの程度の施肥効果があったのか、場合によっては検証も必要でしょうね。春先の西日本で、レンゲがきれいに咲いていた田んぼを思い出しました。
ご質問、ありがとうございました。
緑肥に関しまして、農林水産省の研究機関である農研機構から、緑肥利用マニュアルという本が刊行されています。Webからダウンロード可能ですので、下記をご覧下さい。
<https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/ryokuhi_manual_ca
rc20221007.pdf> 緑肥利用マニュアル (naro.go.jp)
また、下記のサイトも読みやすくまとめられています。
<https://agri.mynavi.jp/2018_06_02_28405/> 緑肥とは?主要な緑肥作物の種類と有効な使い方・メリットやデメリットなど紹介|マイナビ農業 (mynavi.jp)
ご質問のタイトルにありました「二酸化炭素の吸収が多いまたは、酸素の排出量の多い植物」とは、光合成が活発であることと同義ですが、植物間で多少差はあるかもしれませんが、その土地や環境で旺盛に成育できる植物であれば、この条件を満たしていると思われます。マニュアルにも書かれていますが、多くの植物が実際に活用されていていますので、目的にあった植物を選ぶのが宜しいかと思われます。緑肥は、いわゆる肥料としての栄養補給(化学肥料を減らすことができますね)以外にも、土壌病害の抑制(アブラナ科植物に多く含まれますイソチオシアネートに代表される辛み成分が抗菌作用をします)や、有害線虫の抑制(機構は様々ですが、マリーゴールドやエンバク、赤くローバーなど)、雑草種子発芽や成育抑制(ソルガムなど)などなど、利点が多く認められているようです。化学肥料や農薬使用量を減らせば、地球温暖化抑制に直結しますので、緑肥の活用はとてもいいアイディアだと思います。一方で緑肥となる植物の栽培には、種子購入や栽培管理などのコストがかかりますし、場合によっては害虫発生を生みだすこともありますので、目的の土地や環境に見合った十分な計画が必要かと思われます。植物のサイズや種類などに関しましては、上記のサイトをご覧下さい。
私は仙台在住ですが、宮城県でのイネの生産調整が行われていた頃、イネの裏作にダイズを奨励していました。ご承知のようにダイズはマメ科で窒素固定をします。翌年、イネを栽培した際に、通常通りの施肥をして窒素過多になり、台風の時期に収穫前のイネがばたばた倒れていたのを目にしました。緑肥を肥料として利用する際は、どの程度の施肥効果があったのか、場合によっては検証も必要でしょうね。春先の西日本で、レンゲがきれいに咲いていた田んぼを思い出しました。
山谷 知行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2023-04-21