質問者:
その他
繁田 菜津子
登録番号0564
登録日:2006-03-28
お世話になります。みんなのひろば
セルロース試験に関して。
既出の質問でしたら、恐縮です。そして、非常に単純な質問なのですが・・・
食品内の異物として送られてきたものを、450倍で観察したところ、植物細胞壁のようにも見えました。しかし、もとはゼラチンのようなものにも見えます。
そこで、検査会社に依頼し、セルロース(反応)試験をやってもらおうか、という話になりました。
ここでご質問です。
この『セルロース(反応)試験』というのは、どういったものなのか、教えていただけますでしょうか?
また、その精度はいかなるものなのでしょうか?
お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願いたいします。
繁田菜津子さま
みんなの広場へのご質問有りがとうございました。セルロースは植物の 細胞壁の重要な成分なので、細胞壁の成分についての専門家の大阪市立大学の保尊教授に回答をお願いしましたところ以下のようなご回答を頂きました。ご参考になれば幸せです。
対象物がセルロースであるかどうかを調べる方法には数種類あり、目的や検査会社によって異なりますし、信頼度も方法に応じて違ってきます。基本的には、数種の溶媒で抽出した残渣を顕微鏡あるいは赤外吸収スペクトル法(KBr法)で調べるか、加水 分解して産物を化学的に同定する方法が使われています。
ご質問のケースについて簡単に調べるには、20%程度のKOHあるいはNaOH水溶液に試料を浸し、室温に2、3日置いた後で可溶化されているか見るとよいと思います。この条件下で、セルロース以外の多糖やゼラチンのようなタンパク質のほとんどは可溶化されますが、セルロースは化学的に非常に安定で溶けません。さらに、正確を期したい場合には、試料を市販のセルラーゼ(セルロース分解酵素)で処理して分解の有無を調べるか、カルコフロー(Fluorescent Brightener 28)という蛍光色素で染色して顕微鏡観察すればよいでしょう。
保尊 隆享(大阪市立大学)
みんなの広場へのご質問有りがとうございました。セルロースは植物の 細胞壁の重要な成分なので、細胞壁の成分についての専門家の大阪市立大学の保尊教授に回答をお願いしましたところ以下のようなご回答を頂きました。ご参考になれば幸せです。
対象物がセルロースであるかどうかを調べる方法には数種類あり、目的や検査会社によって異なりますし、信頼度も方法に応じて違ってきます。基本的には、数種の溶媒で抽出した残渣を顕微鏡あるいは赤外吸収スペクトル法(KBr法)で調べるか、加水 分解して産物を化学的に同定する方法が使われています。
ご質問のケースについて簡単に調べるには、20%程度のKOHあるいはNaOH水溶液に試料を浸し、室温に2、3日置いた後で可溶化されているか見るとよいと思います。この条件下で、セルロース以外の多糖やゼラチンのようなタンパク質のほとんどは可溶化されますが、セルロースは化学的に非常に安定で溶けません。さらに、正確を期したい場合には、試料を市販のセルラーゼ(セルロース分解酵素)で処理して分解の有無を調べるか、カルコフロー(Fluorescent Brightener 28)という蛍光色素で染色して顕微鏡観察すればよいでしょう。
保尊 隆享(大阪市立大学)
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2006-03-28
柴岡 弘郎
回答日:2006-03-28