質問者:
高校生
me
登録番号5672
登録日:2023-06-20
高校での実験で、イチョウを赤くすることはできるのかを調べようと思っています。そこで、紅葉の仕組みについて調べたところ、紅葉は「離層が形成され、葉に溜まった糖とタンパク質が化学反応を起こす」とわかりました。そこで質問です。紅葉の仕組み
黄葉でも理想は形成されるのでしょうか。そして、紅葉するまでの化学反応の部分をもう少し詳しく教えてほしいです。(反応する糖、タンパク質の名前、反応の過程など)
me 様
ご質問、ありがとうございました。高校生と書かれていましたので、ご自分で調べてみることも大切だと思いました。書籍や信頼できるネットワークで、かなりの部分は調べることが出来ますので、お勧めします。
紅葉につきましては、本Q&Aコーナーの登録番号1107に詳しく書かれていますので、是非読んで下さい。他にも、登録番号388, 3659にも紅葉について書かれています。離層については、登録番号5461をご覧下さい。
さて、「離層の形成と糖とタンパク質化学反応」は、何を読まれたのかわかりませんが、全く別の生命現象です。イチョウのように、葉の老化に伴って黄葉する場合は、クロロフィル(緑色の色素)が分解されてカロテノイド(黄色に見える色素で複数の種類があります)が可視化された結果です。紅葉する場合は、クロロフィルの分解までは一緒ですが、その時期にアントシアニンという水溶性色素が液胞に集積して、赤色・青色・紫色などに発色する結果です。カロテノイドもアントシアニンも、強光から細胞のDNAやタンパク質を守っていると考えられています。アントシアンの合成には様々な段階があり、その際に、多くの酵素(タンパク質です)や糖が関わります。反応の詳細は、例えば下記のサイトをご覧下さい。
<https://xs214644.xsrv.jp/biochem_miyahara/%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%83%88%e3%82%b7%e3%82%a2%e3%83%8b%e3%83%b3%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/> アントシアニンについて – 生物化学研究室(宮原研) (xsrv.jp)
イチョウを赤く出来るかどうかは大変興味深い発想ですが、クロロフィルが分解される時期特異的に、多段階のアントシアニンを合成するための多くの遺伝子や反応に用いられる基質がないとできませんので、非常に困難だと思われます。
ご質問、ありがとうございました。高校生と書かれていましたので、ご自分で調べてみることも大切だと思いました。書籍や信頼できるネットワークで、かなりの部分は調べることが出来ますので、お勧めします。
紅葉につきましては、本Q&Aコーナーの登録番号1107に詳しく書かれていますので、是非読んで下さい。他にも、登録番号388, 3659にも紅葉について書かれています。離層については、登録番号5461をご覧下さい。
さて、「離層の形成と糖とタンパク質化学反応」は、何を読まれたのかわかりませんが、全く別の生命現象です。イチョウのように、葉の老化に伴って黄葉する場合は、クロロフィル(緑色の色素)が分解されてカロテノイド(黄色に見える色素で複数の種類があります)が可視化された結果です。紅葉する場合は、クロロフィルの分解までは一緒ですが、その時期にアントシアニンという水溶性色素が液胞に集積して、赤色・青色・紫色などに発色する結果です。カロテノイドもアントシアニンも、強光から細胞のDNAやタンパク質を守っていると考えられています。アントシアンの合成には様々な段階があり、その際に、多くの酵素(タンパク質です)や糖が関わります。反応の詳細は、例えば下記のサイトをご覧下さい。
<https://xs214644.xsrv.jp/biochem_miyahara/%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%83%88%e3%82%b7%e3%82%a2%e3%83%8b%e3%83%b3%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/> アントシアニンについて – 生物化学研究室(宮原研) (xsrv.jp)
イチョウを赤く出来るかどうかは大変興味深い発想ですが、クロロフィルが分解される時期特異的に、多段階のアントシアニンを合成するための多くの遺伝子や反応に用いられる基質がないとできませんので、非常に困難だと思われます。
山谷 知行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2023-06-21