質問者:
会社員
蔵本龍衞
登録番号0569
登録日:2006-04-03
以前、ジャガイモのサポニンについて質問させていただき、丁寧な回答を頂きました。ありがとうございます。みんなのひろば
ジャガイモやサツマイモの色の役割はなんですか
今回は、ジャガイモやサツマイモで有色(ムラサキやオレンジ)のものがあります。
ムラサキはポリフェノール、オレンジはカロチンだそうですが、イモにとって、その役割は何でしょうか。又、それらはイモのどの部分で生成されるのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
蔵本龍衞 様
”JSPPみんなの広場”にご関心をもって下さりありがとうございます。お尋ねの件については、植物色素に詳しい名古屋大学の吉田久美先生に対応をお願いし、以下のような回答をいただきました。ご参考にして下さい。
芋に色のついたものが最近たくさんありますが、いずれも、紫色はアントシアニンというポリフェノール色素、橙色や黄色はカロテノイド系の色素です。アントシアニンは水溶性で細胞の液胞内に存在し、カロテノイドは脂溶性で、細胞内の色素顆粒内か細胞質で結晶として存在します。いずれも、芋(ジャガイモ-塊茎;サツマイモ-塊根)の中で生合成されます。これらの色素の機能は、葉や茎、花弁では、紫外線防御やストレス応答、虫媒 とされていますが、芋での機能はまだ、よくわかっていません。
ただし、何らかの抗酸化機能に基づく、芋の貯蔵中の劣化予防に働いているかもしれません。たとえば、黒豆(クロダイズ)とふつうの黄色い大豆では、長期保存における発芽率が黒いほうが高いそうです。
ジャガイモは北海道農業研究センター、サツマイモは九州沖縄農業研究センターで、それぞれ育種や加工、機能性の研究がなされていますので、詳細はそちらへどうぞ。
吉田 久美(名古屋大学大学院情報科学研究科・複雑系科学専攻)
http://www.human.nagoya-u.ac.jp/lab/yoshida/
”JSPPみんなの広場”にご関心をもって下さりありがとうございます。お尋ねの件については、植物色素に詳しい名古屋大学の吉田久美先生に対応をお願いし、以下のような回答をいただきました。ご参考にして下さい。
芋に色のついたものが最近たくさんありますが、いずれも、紫色はアントシアニンというポリフェノール色素、橙色や黄色はカロテノイド系の色素です。アントシアニンは水溶性で細胞の液胞内に存在し、カロテノイドは脂溶性で、細胞内の色素顆粒内か細胞質で結晶として存在します。いずれも、芋(ジャガイモ-塊茎;サツマイモ-塊根)の中で生合成されます。これらの色素の機能は、葉や茎、花弁では、紫外線防御やストレス応答、虫媒 とされていますが、芋での機能はまだ、よくわかっていません。
ただし、何らかの抗酸化機能に基づく、芋の貯蔵中の劣化予防に働いているかもしれません。たとえば、黒豆(クロダイズ)とふつうの黄色い大豆では、長期保存における発芽率が黒いほうが高いそうです。
ジャガイモは北海道農業研究センター、サツマイモは九州沖縄農業研究センターで、それぞれ育種や加工、機能性の研究がなされていますので、詳細はそちらへどうぞ。
吉田 久美(名古屋大学大学院情報科学研究科・複雑系科学専攻)
http://www.human.nagoya-u.ac.jp/lab/yoshida/
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2006-04-05
佐藤 公行
回答日:2006-04-05