質問者:
一般
rei
登録番号5697
登録日:2023-07-30
ベランダでアサガオを育てています。7月中旬頃から、朝になっても蕾が開かずそのまま萎れてしまうものが出てきました。みんなのひろば
朝になっても咲かないアサガオ
朝7時、まだ完全には咲かず、先端が星形に開き始めている蕾の正面から息を吹きかけて咲かせてみました。すると、花びらに折り紙の折り目のような模様がありました。中心から、紫・赤紫・紫・赤紫の星形の模様です。そして、2時間後の9時には、全体が紫に変わっていました。
花びらに、このような色違いの模様ができた理由を教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。(7時と9時に写した写真があります。)
rei様
こんにちは。日本植物生理学会の植物Q&Aコーナーに寄せられたあなたのご質問「朝になっても咲かないアサガオ」にお答えします。しかし、お尋ねのようなことは私は聞いたことが無いので、お答えするのが難しいです。
朝になっても咲かないことについては光の影響が考えられます。夜間に蕾に光が当たっていると開花が遅れるか、または、まったく開きません。あなたの場合はベランダで育てているとのことですので、室内照明の光が漏れ出ていたことがありそうですが、どうでしょうか?また、私の経験では、蕾の先端が異物に接触していると開花しないことがありました。そんな様子はありませんでしたか?
色違いの模様ができたことについては、一つの花だけで偶然起こったことなのか、同じことを何度やっても常に同じような模様が見られるのかを先ず知りたいです。ここでは、再現性があると仮定した上で、そうなる理由を考えてみます。確かな理由は分かりませんが、興味深い現象なので個人的な推測を試みてみます。
アサガオの仲間では蕾が開くときと花が萎れるときに花弁の色が変化することが普通に起こります。よく研究されているのは青い花を咲かせるセイヨウアサガオの品種ヘブンリーブルーで、この花は蕾のうちは赤く、開花すると青くなります。アントシアニンの発色が液胞内pHがアルカリ性側にシフトするのに応じて赤から青へと変化するためです。あなたのアサガオで7時に赤紫だった部分が9時に紫に変化したのは青味が強くなったためのように見え、ヘブンリーブルーの開花時の花色変化と似ているように思えます。つまり、あなたのアサガオも蕾のうちは赤紫で、開花すると青味が強くなって紫になるのではないでしょうか?そうであるならば、人為的に不自然な開花を引起こしたことで特定部位の細胞の液胞内pHの変化が遅れ、その部分だけ赤紫から紫への変化が遅れたのではないかと推測します。
なぜ模様は星形になったのかが難問です。7時の写真で赤紫の部分は隣り合う曜(5本ある白く太い線状の組織)の先端を結んだ線の外側ですが、この部分の中央は星形に開き始めている頃の蕾の星形の中心にあった部分です。蕾の時に折畳まれていた花弁が離れて花が開いてゆくのですが、この星形の中央部分が離れなければ蕾全体が開こうとして膨らんでも、完全には開けません。あなたが息を吹きかけて咲かせた星形に開き始めていた蕾はこのような状態にあったものと思われます。つまり、星形の中央部分の開花が他の部分よりも遅れたような状況になっていたのではないかと推測します。もし、そうであるならば、この部分では青味が強くなって紫になるのが遅れることになります。形とその時間変化を言葉で表現するのは難しいので、以上の説明は分かりにくいかと思いますが、図を描いたり、紙でモデルを作ったりして検討してみてください。内側のもう一つの星形については説明が思い浮かびません。
かなり大胆に推論してみましたが、これが正しいかどうかを実験的に検証するのもまた難しいです。出来そうな実験を考えてみます。まず、あなたのアサガオが開花直前の蕾の色は赤紫であることを確認することが基本です。その上で、開花前日の蕾の先端を毛糸などで縛って物理的に開花できないようにしておき、翌朝毛糸を取り外してみることをお勧めします。こうすることで短時間で開花させることができますから、そのときの花色変化を観察してください。もし、縛っていた先端部分が赤紫から紫に変化するならば、推論は概ね正解かもしれません。もし、変化が無ければ、推論が誤っているか検証実験が適切でなかったということになります。
こんにちは。日本植物生理学会の植物Q&Aコーナーに寄せられたあなたのご質問「朝になっても咲かないアサガオ」にお答えします。しかし、お尋ねのようなことは私は聞いたことが無いので、お答えするのが難しいです。
朝になっても咲かないことについては光の影響が考えられます。夜間に蕾に光が当たっていると開花が遅れるか、または、まったく開きません。あなたの場合はベランダで育てているとのことですので、室内照明の光が漏れ出ていたことがありそうですが、どうでしょうか?また、私の経験では、蕾の先端が異物に接触していると開花しないことがありました。そんな様子はありませんでしたか?
色違いの模様ができたことについては、一つの花だけで偶然起こったことなのか、同じことを何度やっても常に同じような模様が見られるのかを先ず知りたいです。ここでは、再現性があると仮定した上で、そうなる理由を考えてみます。確かな理由は分かりませんが、興味深い現象なので個人的な推測を試みてみます。
アサガオの仲間では蕾が開くときと花が萎れるときに花弁の色が変化することが普通に起こります。よく研究されているのは青い花を咲かせるセイヨウアサガオの品種ヘブンリーブルーで、この花は蕾のうちは赤く、開花すると青くなります。アントシアニンの発色が液胞内pHがアルカリ性側にシフトするのに応じて赤から青へと変化するためです。あなたのアサガオで7時に赤紫だった部分が9時に紫に変化したのは青味が強くなったためのように見え、ヘブンリーブルーの開花時の花色変化と似ているように思えます。つまり、あなたのアサガオも蕾のうちは赤紫で、開花すると青味が強くなって紫になるのではないでしょうか?そうであるならば、人為的に不自然な開花を引起こしたことで特定部位の細胞の液胞内pHの変化が遅れ、その部分だけ赤紫から紫への変化が遅れたのではないかと推測します。
なぜ模様は星形になったのかが難問です。7時の写真で赤紫の部分は隣り合う曜(5本ある白く太い線状の組織)の先端を結んだ線の外側ですが、この部分の中央は星形に開き始めている頃の蕾の星形の中心にあった部分です。蕾の時に折畳まれていた花弁が離れて花が開いてゆくのですが、この星形の中央部分が離れなければ蕾全体が開こうとして膨らんでも、完全には開けません。あなたが息を吹きかけて咲かせた星形に開き始めていた蕾はこのような状態にあったものと思われます。つまり、星形の中央部分の開花が他の部分よりも遅れたような状況になっていたのではないかと推測します。もし、そうであるならば、この部分では青味が強くなって紫になるのが遅れることになります。形とその時間変化を言葉で表現するのは難しいので、以上の説明は分かりにくいかと思いますが、図を描いたり、紙でモデルを作ったりして検討してみてください。内側のもう一つの星形については説明が思い浮かびません。
かなり大胆に推論してみましたが、これが正しいかどうかを実験的に検証するのもまた難しいです。出来そうな実験を考えてみます。まず、あなたのアサガオが開花直前の蕾の色は赤紫であることを確認することが基本です。その上で、開花前日の蕾の先端を毛糸などで縛って物理的に開花できないようにしておき、翌朝毛糸を取り外してみることをお勧めします。こうすることで短時間で開花させることができますから、そのときの花色変化を観察してください。もし、縛っていた先端部分が赤紫から紫に変化するならば、推論は概ね正解かもしれません。もし、変化が無ければ、推論が誤っているか検証実験が適切でなかったということになります。
竹能 清俊(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2023-08-06