一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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かわったスイカのたねについて

質問者:   小学生   いぬどん
登録番号5708   登録日:2023-08-06
スイカを食べていたら、たねとたねがくっついていて、コーヒー豆のような形のものを見つけました。
ふたつをはがそうとしても、はがれません。
どうして、このような形になったのか教えてください。よろしくお願いします。
いぬどんさん

Q&Aコーナーへようこそ。かんげいいたします。面白いスイカのたねをみつけましたね。そして、ただ、かわった形のたねだと思っただけでなく、「どうなっているのかな?」と、ぎもんをもって調べようとするたいど
はすばらしいことです。むずかしい言葉で「探究心(たんきゅうしん)」といいます。これからもいろんなことに探究心を向けてください。
 さて、そのかわった形のたねですが、写真があるともっといいのですが、想像でお答えします。その前に、ふつうのスイカのたねの構造を勉強しておきましょう。
スイカのたねの外側の固い種皮(しゅひ)をはがすと、中に白っぽい長円形のものがあります。一方の端にとがった出っぱりがあります。この長円形のものは植物の赤ちゃんに相当するもので、胚(はい)といいます。長円形の部分は2枚の子葉(しよう)がかさなったもので、たねが芽をだして芽生えになったとき開いて双葉(ふたば)と成ります。短いとがったでっぱりは幼根(ようこん)といい、将来の根です。幼根の上部、2枚の子葉の基部に、将来の茎葉になる幼芽(ようが)があります。
 さて、いぬどんさんが見つけたたねが、どうしてこのようになったかは、種皮を注意深くはがして中を観察すればわかるとおもいます。しかし、それはめんどうなことなので、1番簡単なのはそのたねをまいてみることです。もし、2本の芽生えがでてきたら、それは胚が2つ入った、いわばふたごの胚のたねだったことになります。このように2つ以上の胚が入っているたねは珍しいことではなく、むずかしい言葉で「多胚性種子(たはいせいしゅし)」といいます。いぬどんさんのスイカのたねは、ふたごの胚が入っている多胚性種子ではないかと想像します。本コーナーでは多胚性種子に関する質問が取り上げられていますが、もし、くわしいことが知りたい時は、むずかしいかもしれませんので、ご両親にでも読んでもらってください(登録番号3476, 4796)。
芽生えが1本しか出てこなかったら、胚はふつうの1個ということになります。この場合は種皮をむいてみないとどうなっているかは正確にはわかりません。
スイカの多胚性種子は調べた限り報告されていませんので、できたらたねをまいて調べてみてください。
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2023-08-26
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