質問者:
会社員
ちくわ
登録番号0571
登録日:2006-04-04
植物の葉や茎に、糖、有機酸、といったものを適度な濃度で与えた場合に関して、以下のことを教えてください。みんなのひろば
葉や茎の吸収に関して
1)植物は、与えた物質を吸収することが出来るのですか?
2)もし出来るとすれば、どの様な経路を経るのでしょうか?
3)またそれらは、呼吸の基質として利用できますか?
よろしくお願いします。
ちくわ殿
「葉や茎の吸収に関して」以下のご質問に回答します。
[質問内容]
植物の葉や茎に、糖、有機酸、といったものを適度な濃度で与えた場合、
1)植物は、与えた物質を吸収することが出来るのですか?
回答:yes/noです。表皮細胞の一番外側の細胞壁は主としてクチンとワックスからなるクチクラで覆われています。クチクラ層は植物体から水分が常時失われるのを防いでいます。したがって、この層は水分を通さないのがふつうです。しかし、葉や茎には気孔がありますので、外部から植物に水溶液を与えるとそこから吸収されることは可能です。また、水溶液に表面活性剤を添加しておくと、表皮細胞を通して滲み込みやすくなります。
与える物質の化学的性質によっても吸収されるか、されないか、又、され易いか、され難いか異なります。問2に関係することですが、外から与える物質はまず細胞壁に滲み込み、ついで細胞膜を透過して細胞内に入ります。これで吸収が完了することになります。 細胞膜の透過には、特別にエネルギーを使うなどして能動的に細胞内へ吸収される物質の他は受動的に拡散で透過します。このとき、親脂性(疎水性)の物質ほど細胞膜を透過しやすいのです。又、分子の大きさや形によっても異なります。おおまかに言って、植物の細胞活動に関係している一般的な化合物は、程度の差はあっても吸収されるでしょう。
2)もし出来るとすれば、どの様な経路を経るのでしょうか?
回答:外から与えた物質の水溶液は、まず、溶媒の水とともに細胞壁に入ります。細胞壁の中は細胞から細胞へと浸透していきます。細胞壁から細胞の中へは細胞膜を透過することになるので、問1で答え多様な仕組みで取り込まれます。さらに、植物体の他の場所へは通導組織(導管や篩管)に入って輸送されることになります。
3)またそれらは、呼吸の基質として利用できますか?
呼吸基質として使われうる物質であれば利用され得ます。
ご職業は会社員だということですが、こういう質問をされるのはどんなお仕事をされているのか興味があります。いずれにしても、植物のさまざまな働きに関心を持って下ることは大歓迎です。
「葉や茎の吸収に関して」以下のご質問に回答します。
[質問内容]
植物の葉や茎に、糖、有機酸、といったものを適度な濃度で与えた場合、
1)植物は、与えた物質を吸収することが出来るのですか?
回答:yes/noです。表皮細胞の一番外側の細胞壁は主としてクチンとワックスからなるクチクラで覆われています。クチクラ層は植物体から水分が常時失われるのを防いでいます。したがって、この層は水分を通さないのがふつうです。しかし、葉や茎には気孔がありますので、外部から植物に水溶液を与えるとそこから吸収されることは可能です。また、水溶液に表面活性剤を添加しておくと、表皮細胞を通して滲み込みやすくなります。
与える物質の化学的性質によっても吸収されるか、されないか、又、され易いか、され難いか異なります。問2に関係することですが、外から与える物質はまず細胞壁に滲み込み、ついで細胞膜を透過して細胞内に入ります。これで吸収が完了することになります。 細胞膜の透過には、特別にエネルギーを使うなどして能動的に細胞内へ吸収される物質の他は受動的に拡散で透過します。このとき、親脂性(疎水性)の物質ほど細胞膜を透過しやすいのです。又、分子の大きさや形によっても異なります。おおまかに言って、植物の細胞活動に関係している一般的な化合物は、程度の差はあっても吸収されるでしょう。
2)もし出来るとすれば、どの様な経路を経るのでしょうか?
回答:外から与えた物質の水溶液は、まず、溶媒の水とともに細胞壁に入ります。細胞壁の中は細胞から細胞へと浸透していきます。細胞壁から細胞の中へは細胞膜を透過することになるので、問1で答え多様な仕組みで取り込まれます。さらに、植物体の他の場所へは通導組織(導管や篩管)に入って輸送されることになります。
3)またそれらは、呼吸の基質として利用できますか?
呼吸基質として使われうる物質であれば利用され得ます。
ご職業は会社員だということですが、こういう質問をされるのはどんなお仕事をされているのか興味があります。いずれにしても、植物のさまざまな働きに関心を持って下ることは大歓迎です。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2006-04-11
勝見 允行
回答日:2006-04-11