質問者:
一般
きりり
登録番号5736
登録日:2023-09-12
家庭菜園にてラッカセイを育てていて子房柄について疑問に思うことがありました。ラッカセイは根から水分や養分を吸収してそれを子房柄に貯蔵して種子が大きく成長するのではないか、だとしたら子房柄が潜り込む土には水分も養分も必要ないのではないかと考え調べていたところ、登録日:2011-06-17 質問者:野イチゴさんの「落花生はなぜ土に潜るの?」という質問への回答にて「ラッカセイの場合、子房そのものが水分を吸収します。」とありました。みんなのひろば
ラッカセイの子房について
そこでもう一つの疑問なのですが、水分と一緒に成長のための養分も子房が直接吸収するのでしょうか。
もし子房が養分を吸収しないのであればなるべく根の方にだけ肥料を与えて、使用する肥料の量を控えられるのではないかと思い質問しました。
きりり様
Q&Aコーナーへようこそ。歓迎いたします。
ラッカセイの子房(柄)は確かに土壌から直接水とそれに溶けている無機養分を吸収します。植物体では水は根から吸収され、茎の維管束の道管組織を通って地上部へ輸送されます。この水の地上部への輸送のエネルギーは葉の気孔からの蒸散に依って得られます。したがって、植物体では地上部から(上から)下へ(土壌中の組織)へ水が輸送される事はありません。よって水と一緒に吸収される無機養分も地上部の組織や器官が受け取ると同じ様に道管を通じて地下部の組織や器官へ配送される事もありません。ラッカセイの場合は子房柄ですが、ジャガイモやサツマイモなどの塊茎や塊根の場合と同じ様に水と無機養分を土壌から吸収しています。
ご質問では、「ラッカセイは根から水分や養分を吸収してそれを子房柄に貯蔵して種子が大きく成長する」と書かれていますが、土壌から吸収した養分だけでは子房柄が成長し、正常に種子が形成される事はありません(無機養分の働きについては、本コーナーで「無機養分」という項目で検索してください。沢山の関連項目があります)。子房とその中の種子の成長には脂質、炭水化物(澱粉など)、タンパク質などが必要です。これらを合成する材料、すなわち、脂肪酸、糖(グルコース)、アミノ酸あるいはその原料などは地上部から通道組織の篩管で供給されます。これらの生産は葉の光合成活動に依存しています。
Q&Aコーナーへようこそ。歓迎いたします。
ラッカセイの子房(柄)は確かに土壌から直接水とそれに溶けている無機養分を吸収します。植物体では水は根から吸収され、茎の維管束の道管組織を通って地上部へ輸送されます。この水の地上部への輸送のエネルギーは葉の気孔からの蒸散に依って得られます。したがって、植物体では地上部から(上から)下へ(土壌中の組織)へ水が輸送される事はありません。よって水と一緒に吸収される無機養分も地上部の組織や器官が受け取ると同じ様に道管を通じて地下部の組織や器官へ配送される事もありません。ラッカセイの場合は子房柄ですが、ジャガイモやサツマイモなどの塊茎や塊根の場合と同じ様に水と無機養分を土壌から吸収しています。
ご質問では、「ラッカセイは根から水分や養分を吸収してそれを子房柄に貯蔵して種子が大きく成長する」と書かれていますが、土壌から吸収した養分だけでは子房柄が成長し、正常に種子が形成される事はありません(無機養分の働きについては、本コーナーで「無機養分」という項目で検索してください。沢山の関連項目があります)。子房とその中の種子の成長には脂質、炭水化物(澱粉など)、タンパク質などが必要です。これらを合成する材料、すなわち、脂肪酸、糖(グルコース)、アミノ酸あるいはその原料などは地上部から通道組織の篩管で供給されます。これらの生産は葉の光合成活動に依存しています。
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2023-09-13