一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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ふきのとうの毒について

質問者:   その他   工藤
登録番号0579   登録日:2006-04-12
ふきのとうの味噌和えを作っていて、味見程度に食べたら、唇のしびれ、手先のしびれが現れ、呼吸も苦しく感じられ非常にこわい思いをしました。
色々調べましたが原因がわかりません。
花粉症はありますが、食物アレルギーもありません。
山野草には動物が食べない毒を含んだものが多数あるといいますが、ふきのとうにも何か毒の成分があるのでしょうか?

食べたのは、野生のふきのとうの少し花が咲き始めたもので、よく洗って刻みました。
特別あく抜きはしませんでした。どなたか教えてください。
工藤様

フキノトウの中毒についての質問にお答えします。

回答:食中毒関係の専門家ではありませんので、一般的なことしかお答えできません。フキノトウはごく一般的な春先の山菜ですから、食して中毒することはふつうは考えられません。山菜の中毒で一番多いのは誤って良く似た毒草を食べた時です。フキノトウはしばしばハシドコロやフクジュソウの芽と間違えられる様です。特に前者が多い様です。ハシリドコロはアトロピンなど、後者にはシマリンとかアドニトキシンとかいった毒性のあるアルカロイドが含まれています。中毒の症状からみると、ハシリドコロの中毒によく似ているようです。フキノトウ自体にも発ガン性の物質が含まれることが分かっていますが、多量に頻繁に食べるのでなければ問題ないはずです。急性の中毒を起すとは一寸考えられません。でも、特異体質ということもあるのかもしれません。食べた物が確実にフキノトウであるならば、やはりしかるべき医師に相談なさるのがよいでしょう。
山菜はだいたい発ガン性の物質を多かれ少なかれ含んでいますので、食べ過ぎることは決して良いことではないようです。
取り急ぎ回答まで。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2006-04-13