Camellia様、

　こんにちは。日本植物生理学会の植物Q&Aコーナーに寄せられたあなたのご質問「切り花の椿から落ちる黒色粒状のものについて」にお答えします。

　これは難問です。ルーペで見た写真が不鮮明なので何であるか見当がつきません。
　大きさと数からすると、乾燥した葯という推測は悪くないかもしれませんが、枯れたばかりにしては黒すぎますし、それほど硬くなるとは思われません。他にはツバキ自身に由来するものとして思いつくものがありません。何か異物が紛れ込んだのではないでしょうか。花屋さんで他の花の何かが落ち込んだとか、栽培中に害虫の糞が紛れ込んだとかが想像されます。
　まだ花が残っているようでしたら、もう一度よく見てください。もしも乾燥した葯なのであれば、別の花にも同じものがあるはずです。無ければ異物の可能性が高いです。

＜追記＞
　新たに鮮明な写真を送って頂き、それによって新しい見方もできましたので、以下のように追記します。
　確かに、葯が黒くなって落ちたもののように見えます。しかし、謎はさらに深まりました。私の知る範囲では、ツバキの花は老化すると雄しべと花弁がくっついたまま一緒に落ち、花は落ちても葯は花糸についたままで黄色を保っています。それに対して、このツバキは、落花する前に葯が黒くなり、しかも黒くなる時期が不揃いで、葯は花糸から取れて落ちています。そして、花弁を残して雄しべだけが抜け落ちています。これらのことは通常のツバキの花とは異なります。病虫害など、何がしかの異常があったのではないかと思われますが、詳しいことは分かりません。