一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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鎌倉市内の山にもし人工的に植物を植えるなら

質問者:   大学生   うゆ
登録番号5871   登録日:2024-04-19
私は現在自然に触れ合うことを目的とした部活の部長を担っています。先日、部活動として大学(鎌倉市)の近くの山を散策したところ(許可取得済)、背の低い雑草が生い茂る手付かずの広場のような場所が一部ありました。
部員たちとそこで少し休憩をとりながら、この辺りを綺麗な花か良い香りのするハーブ系を植えて埋められたら良いねなど話をしていました。
しかし顧問の先生と話したところ生態系を崩すなどの意見もいただきました。

もちろん私たちの山ではありませんし、実行するなどは微塵も考えていません。

本当に、ただの好奇心からこの質問をさせていただいています。

この質問に回答してくださる方がいらっしゃれば、もし自分であれば何を植えるか教えていただきたいです。(生態系などを考慮した上で良いorましであると思われるもの)

もちろん生態系を考えるならば、そもそも手を加えないとのご意見もあるとは思いますが、そのような意見はご遠慮して下さると嬉しいです。

回答がしやすいよう、全く素人の目から見たものでありますが山の特徴をお伝えします。
標高はそこまで高くない(何メートルかは不明)
アライグマの巣あり
山の入り口に湧水からできた池あり(直径約30m弱)
池に野生のカモや鎌倉メダカが生息している。
冬はシジュウカラ、コジュケイ、トラツグミがよくいる。
春はホトトギスの声がよく響いている。
タイワンリスも見られる。

よろしくお願いいたします。
うゆ様

みんなの広場・植物Q&Aへのご質問ありがとうございます。

鎌倉付近の山地だとすれば、質問にあるこの草原(広場)が長い間そのままで維持されることはなく、遷移が進行すれば常緑のカシ類(シラカシ、アカガシ、アラカシなど)やスダジイ、海岸近くならばタブなどが優占する森になると思われます。草原(広場)のままの状態に保とうとすれば、樹木の芽生を除去するなどの管理が必要です。大面積を草原の状態に保つためには、火入れ(野焼き)や一斉刈り取りなどが行われています。

植生や遷移については勉強されたかもしれませんが、もしまだのようでしたら、以下の本などをまずお読みいただくとよいと思います。

沼田真、岩瀬徹 図説 日本の植生 講談社学術文庫 
写真は白黒ですが、植生に関する基本事項がきちんと書かれています。本体 1,100円

福嶋司 編著 図説 日本の植生 第2版 朝倉書店
 写真はすべてカラー。専門家の分担執筆 本体 4,800円


ご質問は、何を植えたいか? ということですが、現場の様子からは環境がよくわかりませんので、これだけの情報からうまく生育する植物を選ぶことはできません。
寺島 一郎(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2024-04-23