一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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切ってもまた生える植物と生えてこない植物の違い

質問者:   その他   西村 光代
登録番号0591   登録日:2006-04-19
昨年稲を収穫後、そのまま放置して置くと、また稲の切り口から新たな稲穂が伸びてきました。
あさがおやきゅうりでは、切れたら最後その後伸びてくることはありませんでが、ブロッコリーやトマトは、きった脇から左右に脇芽が伸びてきました。
では、切ってもまた生えてくる植物と生えてこないもの、また、脇芽が出るものとは何に違いがあるのでしょうか。
根っこ、切り口を顕微鏡を使って観察しましたが、なぞの解決には至りませんでした。
以前、綿を育てた時に花が着いたのに枝が折れてしまい、そのまま観察を続けていると、なんと綿の実がなりましたが、これも何か関係があるのでしょうか。
子供の疑問に、苦戦しております。
西村 光代さま

 みんなの広場へご質問をお寄せ下さりありがとうございました。ご質問の回答に入る前に、植物の芽の話をさせて下さい。ご存知のように植物の茎の先端には芽があります。この芽は頂芽と呼ばれています。植物はこの頂芽の他に、ちょっと気が付かないのですが、葉の付け根に腋芽と呼ばれる芽を持っています。腋芽は植物によっては伸びて枝になりますが、背の高い大きなヒマワリのように腋芽が伸びず、従って枝を伸ばさない植物もあります。このような腋芽が伸びない植物でも頂芽を取り除くと腋芽が伸びてきます。頂芽が腋芽の伸びるのを抑えているわけで、このような現象は頂芽優勢と呼ばれています。さて、ご質問の回答に入ります。植物の一部を取り除いて、その後、芽が伸びてくるかどうかは、取り除いた後に腋芽が残っているかどうかによります。イネの場合、葉の付け根は地面の近くにあり、従って腋芽も地面近くにあるので、イネ刈りの後、その腋芽が伸びて来るのです。アサガオ、キュウリ、ブロッコリー、トマトでも話は同じで、切った後に腋芽が残っていればそれが伸びて来ますが、腋芽が残っていなければ、芽は伸びてきません。アサガオやキュウリの場合、芽が伸びて来なかったのは、腋芽を残さずに切ってしまったからだと思います。ブロッコリーの場合は葉が残っていたのではないでしょうか。葉が残っていれば、その付け根に必ず腋芽があります。腋芽は葉が落ちた後も残っていますので、トマトの場合には葉の落ちた後に残っていた腋芽が伸びたんじゃないかと思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2006-04-20
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