MITSU　様

この度は日本植物生理学会のQ&Aコーナーにご質問ありがとうございました。植物の種子と胞子について勉強されているのですね。ご質問への回答は、植物の形づくりや進化について研究されている自然科学研究機構　基礎生物学研究所　教授　長谷部光泰先生にお願いいたしました。

【長谷部先生からの回答】
胞子と種子がどのようにできるかを考えると答えがわかりますよ。コケ植物やシダ植物は胞子で繁殖し、種子植物は種子で繁殖しますよね。コケ植物やシダ植物は種子を作らないのですが、種子植物は種子だけでなく、胞子も作っています。しかも、雄の胞子と雌の胞子の２種類の胞子を作ります。雄の胞子は花粉となり、散布されますが、雌の胞子は親の体の中に残り、卵を作り、花粉からできる精子と親の体の中で受精します。そして、種の皮は親の体から、種の中身のほとんどは受精によってできます。種子は雌の胞子が親の体の中に残ってできるものなので、胞子で繁殖できないのです。
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全ての植物は胞子を作ります。その中でも種子を作る植物は、体の中に胞子を作って、胞子と周りの組織が成長して種子になります。高校生になると減数分裂や受精を習うのでそうするとより良くわかりますよ。
というコメントも長谷部先生よりあわせていただきました。胞子と言っても、コケ植物やシダ植物の胞子は直接胞子のままで繁殖にかかわりますが、種子植物の胞子はそうではないということです。ですから、胞子と種子の両方で仲間を増やす植物は無いということになります。

以上、参考になりましたでしょうか。Q&Aのコーナーでは、過去の質問を検索するところがあります。この検索窓にキーワード”胞子、種子”などを入れて検索しますとMITSUさんと同じような疑問への回答を見ることができ、さらに胞子と種子のことが詳しくわかりそうです。
例えば、
「コケ植物はなぜ種子を作らないのか」
「なぜ種子を作る植物と胞子を作る植物がいるのか」などです。

ぜひこれらも参考にしてください。