一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

チェックリストに保存

食虫植物に捕食された虫の最後

質問者:   一般   とみやま
登録番号5997   登録日:2024-08-19
食中植物がそれぞれのスタイルで捕食することを書籍やネット検索、植物園の展示などで知り、小学生の娘と大変興味深く親しんでいます。
質問は、消化液でとかしきれない身殼のような死骸は最終的にどうなるのか、です。
植物内に溜まり続ける?排出する仕組みがある?死骸も残らない?など疑問です。
代表的なウツボカズラやサラセニアはそんなに溜め込む空間もなさそうで消化液もあって重くなりそうだし、ハエトリソウも葉を開けただけでは死骸は動かないだろうし、モウセンゴケは吸収後に離せば落ちるのかな、と想像しますが、そうしたタイミングを判断することが植物にできるのかも謎です。
種類によって違いはあるかと思いますが、ご教示いただけますと幸いです。
宜しくお願いいたします。
とみやま 様

この度は日本植物生理学会のQ&Aコーナーにご質問ありがとうございました。ご質問への回答は、植物の形づくりや進化について研究を進めておられ、食虫植物の捕虫葉等についても研究されている自然科学研究機構 基礎生物学研究所 教授 長谷部光泰先生にお願いいたしました。
どうやら消化される部分とされない部分があるようです。

【長谷部先生からの回答】
近所に植物園はありますか?少し古くなった袋の中をぜひご覧になって、匂いをかいでもらえると、百聞は一見に如かずで、驚きとともに興味しんしんだと思います。特に、野外で育てられているサラセニアがおすすめです。子供さんは特に喜びますよ。なぜなら、消化されない外骨格が山ほど入っていて、すごい匂いがしますよ。ぜひ、お楽しみください。
===

長谷部先生は、
技あり!モーレツ植物ずかん(1) 食虫する系・取引する系(鈴木出版)や
食虫植物のわな-虫を食べるふしぎな植物のおはなし-(偕成社)などの食虫植物に関する書籍の監修などもされています。ぜひ一度合わせてご参考にしていただければ幸いです。
長谷部 光泰(基礎生物学研究所)
JSPP広報委員長
藤田 知道
回答日:2024-09-12