質問者:
一般
佐野
登録番号5998
登録日:2024-08-19
葉に赤色/ピンク色の斑が発生する要因には、紅葉を除き、光阻害への対策のためや、植食性昆虫からの防御対策(みんなのひろば
葉に赤/ピンク色の斑が発現する条件について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/61/3/61_610210/_article/-char/ja/ ) だそうですが、
通常緑色の葉の植物がこのような対策を講じる(形質を変異させる)のは、どのような条件下で、何世代で変異するのでしょうか?
葉数枚レベルで光ストレスを受けただけでは、緑の葉だと黄色くなったり枯れたりするだけで、次の新葉やその子株ですぐに色を変えて対策するケースは、体感あまりないかと思います。
突然変異にしても、完全にランダムではなく何かしらの対策として行われる変異なら、一体どういう条件下で、緑の葉を赤色/ピンク色に変えることになる(なりやすい)のでしょうか?
また、何世代で変異するのでしょうか?
上の植食性昆虫からの防御対策だとすると、どの葉が何割、どのぐらいの期間何回食べられたかも関係するのでしょうか?
また、この研究では昆虫を対象にしていますが、これが哺乳類や鳥で、食用だけでなく、たとえば巣作りの材料として引きちぎった場合でも、昆虫が食べるのと同様に考えられるのでしょうか?
疑問ばかりで恐縮ですが、調べてもあまりヒントになる情報が見つからず、質問させていただきました。
白色の斑の場合でも、詳しいところはまだ解明されていないところがあるのは承知していますが、仮説レベルでも考察を進められればと思っています。
通常緑色の葉の植物がこのような対策を講じる(形質を変異させる)のは、どのような条件下で、何世代で変異するのでしょうか?
葉数枚レベルで光ストレスを受けただけでは、緑の葉だと黄色くなったり枯れたりするだけで、次の新葉やその子株ですぐに色を変えて対策するケースは、体感あまりないかと思います。
突然変異にしても、完全にランダムではなく何かしらの対策として行われる変異なら、一体どういう条件下で、緑の葉を赤色/ピンク色に変えることになる(なりやすい)のでしょうか?
また、何世代で変異するのでしょうか?
上の植食性昆虫からの防御対策だとすると、どの葉が何割、どのぐらいの期間何回食べられたかも関係するのでしょうか?
また、この研究では昆虫を対象にしていますが、これが哺乳類や鳥で、食用だけでなく、たとえば巣作りの材料として引きちぎった場合でも、昆虫が食べるのと同様に考えられるのでしょうか?
疑問ばかりで恐縮ですが、調べてもあまりヒントになる情報が見つからず、質問させていただきました。
白色の斑の場合でも、詳しいところはまだ解明されていないところがあるのは承知していますが、仮説レベルでも考察を進められればと思っています。
佐野様
こんにちは。日本植物生理学会の植物Q&Aコーナーに寄せられたあなたのご質問「葉に赤/ピンク色の斑が発現する条件について」にお答えします。
「葉に発生する赤色/ピンク色の斑」とは何のことでしょうか? 質問文の冒頭で引用されているサイトを確認してみましたが、これは、秋の紅葉ではない、アカメガシワなどの新葉の赤色についての研究で、赤色は植食性昆虫に対する警告色なのではないかという内容でした。この記事をご覧になった上でのご質問とすれば、植物は光ストレスや昆虫の食害を防御する対策として緑色の葉を赤色に変異させたのだろうか、その変異が実現するまでには何世代ぐらいの時間が経過したのだろうか、と疑問に思われたのでしょうか?
光ストレスを受けた葉はアントシアニン合成が促進されて赤くなりますが、これは個体の反応であって、次世代に遺伝する変異が起こったわけではありませんから、「次の新葉やその子株ですぐに色を変えて対策する」ことではありません。昆虫の食害を受けた葉が防御物質を生成することはありますが、この場合も遺伝する変異ではありません。
突然変異はランダムに起こるものであって、「何かしらの対策として行われる」ものではありませんから、ある特定の条件下に置けば、任意に緑の葉を赤色/ピンク色に変える変異を起こすことができるというものではありません。また、何らかの条件が繰り返されると変異が現れるとお考えなのかもしれませんが、そうではないので何世代で変異するというようなものでもありません。
新葉の赤色の研究とは関係ありませんが、昆虫の食害で誘導される防御物質の生成は、昆虫の食害だけでなく、物理的な障害でも誘導されます。
こんにちは。日本植物生理学会の植物Q&Aコーナーに寄せられたあなたのご質問「葉に赤/ピンク色の斑が発現する条件について」にお答えします。
「葉に発生する赤色/ピンク色の斑」とは何のことでしょうか? 質問文の冒頭で引用されているサイトを確認してみましたが、これは、秋の紅葉ではない、アカメガシワなどの新葉の赤色についての研究で、赤色は植食性昆虫に対する警告色なのではないかという内容でした。この記事をご覧になった上でのご質問とすれば、植物は光ストレスや昆虫の食害を防御する対策として緑色の葉を赤色に変異させたのだろうか、その変異が実現するまでには何世代ぐらいの時間が経過したのだろうか、と疑問に思われたのでしょうか?
光ストレスを受けた葉はアントシアニン合成が促進されて赤くなりますが、これは個体の反応であって、次世代に遺伝する変異が起こったわけではありませんから、「次の新葉やその子株ですぐに色を変えて対策する」ことではありません。昆虫の食害を受けた葉が防御物質を生成することはありますが、この場合も遺伝する変異ではありません。
突然変異はランダムに起こるものであって、「何かしらの対策として行われる」ものではありませんから、ある特定の条件下に置けば、任意に緑の葉を赤色/ピンク色に変える変異を起こすことができるというものではありません。また、何らかの条件が繰り返されると変異が現れるとお考えなのかもしれませんが、そうではないので何世代で変異するというようなものでもありません。
新葉の赤色の研究とは関係ありませんが、昆虫の食害で誘導される防御物質の生成は、昆虫の食害だけでなく、物理的な障害でも誘導されます。
竹能 清俊(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2024-08-27