一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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朝顔種の双子

質問者:   会社員   黄色い足跡
登録番号6005   登録日:2024-08-22
はじめまして。

朝顔の花1つに対し、種袋(名称がわからず済みません)が1つが普通ですが、今年は、花1つに対し2つの種袋が双子のように付き、蔓全体に双子の種袋がなっています。

今年は、双子のサクランボも話題にあげられておりましたので、気になり投稿させて頂きました。

たまにあることなのでしょうか?

黄色い足跡様

 こんにちは。日本植物生理学会の植物Q&Aコーナーに寄せられたあなたのご質問「朝顔種の双子」にお答えします。

 アサガオは花が終わると果実を作ります。一つの花は一つの果実を作り、一つの果実には基本的に六つの種子ができます。アサガオでは花のすぐ下に対になった二つの苞片があります。苞片は目立たない、細く短いものですが、葉の一種と考えられます。普通の葉の腋には芽が作られるのと同じように、苞片の腋には花芽が作られます。この花芽は必ずしも大きくなって花を開くわけではなく、開花するかどうかは品種によって、また、場合によって異なります。開花しやすい品種もあれば、しにくい品種もあり、開花しにくい品種でも生長がよければ開花に至ることがあります。苞片の腋の花芽の方が作られるのが遅いために開花も遅れますから同時に咲くことはありませんが、果実が大きくなるには時間がかかりますので、大きくなった頃には二つ、時には三つの果実が一か所に出来ているように見えることがあります。一つの花が二つまたは三つの果実を作ったのではなく、二つまたは三つの花がそれぞれに果実を作ったということです。双子の果実と思われたのは、このようなものだろうと思います。
 写真を拝見しますと、片方の果実は苞片の腋に出来ているように見えますので、上に述べたことで間違いないと思います。
竹能 清俊(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2024-08-26