一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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植物のストレス応答(サリチル酸)

質問者:   会社員   にし
登録番号6044   登録日:2024-11-01
植物のストレス応答のうち、植物ホルモンのサリチル酸が関わる応答について調べています。
植物が病原体の感染するとサリチル酸が合成され、防御反応が起こるとありますが、この防御反応でサリチル酸から合成されるのはメチルサリチル酸(methylsalicylic acid)でしょうか?サリチル酸メチル(methyl salicylate)でしょうか?

本で調べると、どちらの名称も出てくるのですが異なる化学物質なので、正しいのはどちらなのか疑問に思っています。

メチルサリチル酸と掲載された本:テイツ/ザイガー植物生理学・発生学原著第6版
サリチル酸メチルと掲載された本:キャンベル生物学原著11版
にし様

Q&Aコーナーへようこそ。歓迎いたします。 
植物のストレス応答に関与するのは methyl salicylate です。この物質はサリチル酸(salicylic acid) のカルボキシル基がメタノールとの間でエステル結合でできたサリチル酸のメチルエステル化合物です。
したがって、methyl salicylate と呼ばれます。メチルサリシレイトと言っても構いませんが。日本語ではサリチル酸メチルといいます。
同じように、jasmonic acid (ジャスモン酸)のメチルエステルはジャスモン酸メチルといいます。
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2024-11-14