質問者:
一般
あお
登録番号6067
登録日:2024-12-20
一般的に単子葉植物は有胚乳種子を作ると考えていましたが、先日ラン科の植物は胚乳を持たず、共生菌の作る養分に頼って発芽することを知りました。みんなのひろば
無胚乳種子を作る単子葉植物は、どこに養分を蓄える?
他に調べたところ、単子葉植物ではオモダカ科やトチカガミ科の植物で胚乳が無いと記載がありました。これらの植物は双子葉植物と同じように子葉に養分を蓄えているのでしょうか。
あお様
こんにちは。日本植物生理学会の植物Q&Aコーナーに寄せられたあなたのご質問「無胚乳種子を作る単子葉植物は、どこに養分を蓄える?」にお答えします。
オモダカ科やトチカガミ科の植物では種子に胚乳が無いということは知りませんでした。そこで、いろいろ調べてみました。その結果、オモダカの痩果は1個の無胚乳種子を含むと記述した論文を見つけました。これは他の論文からの引用であったので、元の論文に当たりましたが、そこには無胚乳種子との記述はありませんでした。関係する著者や雑誌をいくつか調べましたが、現在の所、確かな情報を得ることができていません。
胚乳が無いとした情報源には胚乳の代わりになる栄養貯蔵部位が書かれていることと思いますが、文献を見つけることができなかったので、今は何とも言えません。一般論としては、胚乳が無ければ養分は子葉に蓄えるだろうと思います。
ラン科の微小な種子のように、胚乳も養分を蓄えた子葉も無く、発芽を共生菌の栄養に依存するのかもしれません。しかし、オモダカの痩果の千粒重は407mgで、それほど小さくありませんし、生活環を示した図の中には形態のはっきりした痩果が描かれていて、ラン科の種子とはだいぶ差異があるようですから、共生菌に依存する可能性は低いと思います。
こんにちは。日本植物生理学会の植物Q&Aコーナーに寄せられたあなたのご質問「無胚乳種子を作る単子葉植物は、どこに養分を蓄える?」にお答えします。
オモダカ科やトチカガミ科の植物では種子に胚乳が無いということは知りませんでした。そこで、いろいろ調べてみました。その結果、オモダカの痩果は1個の無胚乳種子を含むと記述した論文を見つけました。これは他の論文からの引用であったので、元の論文に当たりましたが、そこには無胚乳種子との記述はありませんでした。関係する著者や雑誌をいくつか調べましたが、現在の所、確かな情報を得ることができていません。
胚乳が無いとした情報源には胚乳の代わりになる栄養貯蔵部位が書かれていることと思いますが、文献を見つけることができなかったので、今は何とも言えません。一般論としては、胚乳が無ければ養分は子葉に蓄えるだろうと思います。
ラン科の微小な種子のように、胚乳も養分を蓄えた子葉も無く、発芽を共生菌の栄養に依存するのかもしれません。しかし、オモダカの痩果の千粒重は407mgで、それほど小さくありませんし、生活環を示した図の中には形態のはっきりした痩果が描かれていて、ラン科の種子とはだいぶ差異があるようですから、共生菌に依存する可能性は低いと思います。
竹能 清俊(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2024-12-31