質問者:
大学生
ジェームス
登録番号6091
登録日:2025-01-27
質問失礼いたします。みんなのひろば
オオカナダモの雌株について
ジェームス 様
この度はみんなのひろばQ&Aコーナーへご質問ありがとうござました。
ご質問への回答は、維管束植物の分類が専門の北海道大学総合博物館 助教 首藤光太郎先生にお願いしました。
【首藤先生からの回答】
山本さんのお気持ちは、よくわかります。私も水草研究者の一人として、一度オオカナダモの雌株を手に入れて、雌花・果実・種子をこの目で見てみたい、と思っています。
ですが、オオカナダモの雌株を手に入れるということ自体が、国内では推奨できません。
ご存知かもしれませんが、オオカナダモは、我が国では「生態系被害防止外来種リスト」により重点対策外来種に指定されています。
教材として有用であるのはもちろんですが、残念ながら、その一方で生態系への甚大な被害が予想されるために対策の必要性が高い外来種として認識されています。
雌株を手に入れることができたとしても、雌株や室内で作られた種子が何らかのアクシデントにより逸出してしまうと、すでに広く定着している雄株と交配して、野外でも種子を生産するようになってしまうかもしれません。
外来種を駆除する際、種子生産をできる植物とそうでない植物では、駆除にかかる労力が段違いです。クローン繁殖だけを行う後者であれば、目に見える植物体を継続的に刈り取ることで駆除できることがしばしばあります。前者の場合、埋土種子が形成されるリスクがあります。そうなってしまった場合、植物体を刈り取っても継続的に発芽・繁茂し、さらに種子生産が行われることで格段に駆除が難しくなります。
私は国内でオオカナダモの雌株を扱っている業者や研究者には心当たりがありません。
ぜひ、原産地を訪れて観察していただけるとよいと思います。
参考URL:環境省・農林水産省「生態系被害防止外来種リスト」 https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/files/list.pdf
=====
いかがでしたでしょうか。
なるほど、見たいという気持ちと生物の本来の分布を維持すること、どちらも大切ですね。
本コーナーでは植物の不思議に関する質問をお受けしており、こうしたことに関する疑問などございましたらまたご利用ください。
この度はみんなのひろばQ&Aコーナーへご質問ありがとうござました。
ご質問への回答は、維管束植物の分類が専門の北海道大学総合博物館 助教 首藤光太郎先生にお願いしました。
【首藤先生からの回答】
山本さんのお気持ちは、よくわかります。私も水草研究者の一人として、一度オオカナダモの雌株を手に入れて、雌花・果実・種子をこの目で見てみたい、と思っています。
ですが、オオカナダモの雌株を手に入れるということ自体が、国内では推奨できません。
ご存知かもしれませんが、オオカナダモは、我が国では「生態系被害防止外来種リスト」により重点対策外来種に指定されています。
教材として有用であるのはもちろんですが、残念ながら、その一方で生態系への甚大な被害が予想されるために対策の必要性が高い外来種として認識されています。
雌株を手に入れることができたとしても、雌株や室内で作られた種子が何らかのアクシデントにより逸出してしまうと、すでに広く定着している雄株と交配して、野外でも種子を生産するようになってしまうかもしれません。
外来種を駆除する際、種子生産をできる植物とそうでない植物では、駆除にかかる労力が段違いです。クローン繁殖だけを行う後者であれば、目に見える植物体を継続的に刈り取ることで駆除できることがしばしばあります。前者の場合、埋土種子が形成されるリスクがあります。そうなってしまった場合、植物体を刈り取っても継続的に発芽・繁茂し、さらに種子生産が行われることで格段に駆除が難しくなります。
私は国内でオオカナダモの雌株を扱っている業者や研究者には心当たりがありません。
ぜひ、原産地を訪れて観察していただけるとよいと思います。
参考URL:環境省・農林水産省「生態系被害防止外来種リスト」 https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/files/list.pdf
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いかがでしたでしょうか。
なるほど、見たいという気持ちと生物の本来の分布を維持すること、どちらも大切ですね。
本コーナーでは植物の不思議に関する質問をお受けしており、こうしたことに関する疑問などございましたらまたご利用ください。
首藤 光太郎(北海道大学総合博物館)
JSPP広報委員長
藤田 知道
回答日:2025-02-12
藤田 知道
回答日:2025-02-12