一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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サポニンの定量方法について

質問者:   高校生   清水
登録番号6102   登録日:2025-02-06
こんにちは

現在私は学校で植物間コミュニケーションを研究しております。そこで、植物に含まれるサポニンの量を測りたいのですが、ロータリーエバポレーターや高速液体クロマトグラフィーが無く測れません。そこで質問なのですが、ロータリーエバポレーターなどを用いないサポニンの定量方法は方法はありますか?
清水さん

Q&Aコーナーへようこそ。歓迎いたします。植物に含まれるサポニンを簡単に抽出したいということかと思います。
サポニンは親水性の分子である糖類が親脂性(疎水性)の分子であるステロイドやトリテルペン類と結合した「配糖体」と呼ばれる化合物の総称ですので、個々の特定のサポニンは糖の種類、相手のテルペン化合物の種類によって異なります。当然、植物の種類によっても異なります。サポニンは界面活性剤の働きを示し、水と混じると泡立ちを生じます。したがって石鹸の代わりにも使われました。
ところで、植物間コミュニケーションの研究でサポニンを抽出したいということですが、どの程度の純度のサポニンを取り出したいかによります。もし、定量的に抽出したいのであれば、質問にもあるような機器を使わないと無理です。ただサポニン(不純物が混じっている)を取り出したいというのでしたら、熱水でも、冷水でも抽出できます。ダイズなどの豆を煮立てると、泡が出てきます。通称「灰汁(アク)」と呼んでいますが、これの成分はサポニンです。本コーナーにも過去に関連の質問がありますので、それを参考にして下さい(登録番号5686)。
なお、他にも、本コーナーでは過去に沢山のサポニンに関係する質問を扱っていますので、参考になるものもあるかと思います。みんなの広場植物のQ&A:質問から検索するで、「サポニン」で検索してしてください。


勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2025-02-16