質問者:
会社員
あすか
登録番号6110
登録日:2025-02-20
パンジーに代表される斑紋、ブロッチですが、これは何のためにできるのでしょうか?みんなのひろば
パンジーのブロッチは何のため?
サンシキスミレにも小さくあると思いますが、どんなメリットがあるのか知りたいです。
あすか様
質問をいただきありがとうございます。
パンジーの花弁は青、紫、赤、黄色、白といろいろあります。
園芸植物として人気があり、現在でも育種が行われています。
パンジーの中で、赤、紫、青色の花弁にはアントシアニンが含まれ、その化学構造や含有量は色によっても異なります。
花弁の色と色素の関係などの研究は、日本でも1950年代から行われており、新しい品種が出るごとに、分析が進められてきています。さらに最近では、アントシアニンの生合成の研究も進み、花弁の色と生合成遺伝子の関係も解明されてきています。
ところで、花弁の中央部にブロッチと呼ばれる斑紋を有する系統は19世紀に育種・選抜の過程で偶然見出されたものであるとの記載があります。(原著論文にはあたれていないので確証はありませんが、多分そうなのだと思います。)
色が濃い場合は、色素の含有量がそこだけ多くなっている可能性や、濃色効果を示す助色素類(主にはパンジーの場合、フラボノール類が多いです)が共存する可能性が考えられます。
色が異なる場合は、違うアントシアニンが含まれている場合や、やはり、助色素の効果があると思われます。
しかし、ブロッチの機能・効果となると、定かではありません。
たとえば、ミツバチは、ヒトと異なり、紫外光を見分けることができるため、ヒトでは白い花に見えても、フラボノールなど紫外吸収成分の含有量の違いによって、花の中心部分だけが、違う色に見えるとされています。
ひょっとして、パンジーのブロッチもそのように虫媒の際に優位性があるのかもしれませんが、証拠はありませんので、一つの可能性としか申せません。
また、虫の色覚については、すでに、このコーナーでもいくつかご質問をいただき
返答しておりますので、それらも参考にしてください。
「花」、「紫外線」で検索いただくとたどり着きます。
登録番号636
登録番号6036
質問をいただきありがとうございます。
パンジーの花弁は青、紫、赤、黄色、白といろいろあります。
園芸植物として人気があり、現在でも育種が行われています。
パンジーの中で、赤、紫、青色の花弁にはアントシアニンが含まれ、その化学構造や含有量は色によっても異なります。
花弁の色と色素の関係などの研究は、日本でも1950年代から行われており、新しい品種が出るごとに、分析が進められてきています。さらに最近では、アントシアニンの生合成の研究も進み、花弁の色と生合成遺伝子の関係も解明されてきています。
ところで、花弁の中央部にブロッチと呼ばれる斑紋を有する系統は19世紀に育種・選抜の過程で偶然見出されたものであるとの記載があります。(原著論文にはあたれていないので確証はありませんが、多分そうなのだと思います。)
色が濃い場合は、色素の含有量がそこだけ多くなっている可能性や、濃色効果を示す助色素類(主にはパンジーの場合、フラボノール類が多いです)が共存する可能性が考えられます。
色が異なる場合は、違うアントシアニンが含まれている場合や、やはり、助色素の効果があると思われます。
しかし、ブロッチの機能・効果となると、定かではありません。
たとえば、ミツバチは、ヒトと異なり、紫外光を見分けることができるため、ヒトでは白い花に見えても、フラボノールなど紫外吸収成分の含有量の違いによって、花の中心部分だけが、違う色に見えるとされています。
ひょっとして、パンジーのブロッチもそのように虫媒の際に優位性があるのかもしれませんが、証拠はありませんので、一つの可能性としか申せません。
また、虫の色覚については、すでに、このコーナーでもいくつかご質問をいただき
返答しておりますので、それらも参考にしてください。
「花」、「紫外線」で検索いただくとたどり着きます。
登録番号636
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吉田 久美(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2025-03-26