質問者:
高校生
ゆーたやん
登録番号6114
登録日:2025-02-25
登録番号みんなのひろば
不定芽は土に触れると発生率するのか
6088で質問し、「土に触れることで芽が出た」とご指摘をいただきました。しかし、調べてみると不定芽の発生にはショ糖培地であったり、オーキシン、〇〇ニンなどが関わっているとでてきました。土に触れるとでるというのはどういうことなのでしょうか。土の有機成分自体にショ糖の成分と同じものが入っているとひとまず予想しています。
ゆーたやん 様
再度のご質問をありがとうございます。回答が遅れて申し訳ありません。
ゆーたやんさんが述べているショ糖、オーキシン、サイトカイニンなどは全て内在性のシグナルであり、これが自然界の土壌にあって外から刺激を与えているということではありません。不定芽の研究として、切り出した植物断片に人工的に何らかの成分(例えば植物ホルモン)を外から加えその効果を見るということが広く行われているため、ネットなどで調べるとこれらの情報が多く出てくると思いますが、分けて考える必要があります。
さて、前回は、「複数の茎が地面の近くから出てきてるように見えるので、ご指摘の通り、脇芽から伸びた茎ではないと思われます。おそらく土と接触したことによって茎に発生した不定芽が伸びたものでしょう。」と回答いたしました(登録番号6088)。再度のご質問ということで、文献などをもう一度調べ直しましたが、これというものは見つかりませんでした。そこで、実際にクウシンサイを育てている何人かの研究者に話を伺ったところ、大阪公立大学の山口夕教授から以下のような回答がいただけました。
まずは、クウシンサイの主茎の子葉節から側芽が成長し三叉に分かれることは良くあるそうです。一方、3本以上の茎が出ている場合については、クウシンサイでは節からの不定根の発生が活発なので、子葉節からでた不定根から発生した根上不定芽が成長したものかもしれないとのことでした(根から出る不定芽については、前回の回答6088を参照ください)。塚原農園さんのYouTube動画では一か所に一本の苗を植えているように見えるので、後者の可能性が考えられます。
前回、「おそらく土と接触したことによって茎に発生した不定芽が伸びたものでしょう」と述べましたが、由来が茎である可能性は低いようです。一般論として言えば、不定根や不定芽の形成が傷によって促進されることは良く知られているので「土との接触」と書きましたが、この場合は、根上不定芽のもととなる不定根の成長具合が鍵になるのかもしれません。何にせよ、詳しいことを明らかにするためには、実際の植物を掘り出して良く観察する必要がありそうです。
再度のご質問をありがとうございます。回答が遅れて申し訳ありません。
ゆーたやんさんが述べているショ糖、オーキシン、サイトカイニンなどは全て内在性のシグナルであり、これが自然界の土壌にあって外から刺激を与えているということではありません。不定芽の研究として、切り出した植物断片に人工的に何らかの成分(例えば植物ホルモン)を外から加えその効果を見るということが広く行われているため、ネットなどで調べるとこれらの情報が多く出てくると思いますが、分けて考える必要があります。
さて、前回は、「複数の茎が地面の近くから出てきてるように見えるので、ご指摘の通り、脇芽から伸びた茎ではないと思われます。おそらく土と接触したことによって茎に発生した不定芽が伸びたものでしょう。」と回答いたしました(登録番号6088)。再度のご質問ということで、文献などをもう一度調べ直しましたが、これというものは見つかりませんでした。そこで、実際にクウシンサイを育てている何人かの研究者に話を伺ったところ、大阪公立大学の山口夕教授から以下のような回答がいただけました。
まずは、クウシンサイの主茎の子葉節から側芽が成長し三叉に分かれることは良くあるそうです。一方、3本以上の茎が出ている場合については、クウシンサイでは節からの不定根の発生が活発なので、子葉節からでた不定根から発生した根上不定芽が成長したものかもしれないとのことでした(根から出る不定芽については、前回の回答6088を参照ください)。塚原農園さんのYouTube動画では一か所に一本の苗を植えているように見えるので、後者の可能性が考えられます。
前回、「おそらく土と接触したことによって茎に発生した不定芽が伸びたものでしょう」と述べましたが、由来が茎である可能性は低いようです。一般論として言えば、不定根や不定芽の形成が傷によって促進されることは良く知られているので「土との接触」と書きましたが、この場合は、根上不定芽のもととなる不定根の成長具合が鍵になるのかもしれません。何にせよ、詳しいことを明らかにするためには、実際の植物を掘り出して良く観察する必要がありそうです。
長谷 あきら(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2025-05-11