質問者:
中学生
Minecraft
登録番号6126
登録日:2025-03-19
昨年 登録番号みんなのひろば
キダチアサガオの体内時計のリセットについて
5857 でアサガオと光に対する開花反応(なぜキダチアサガオは明所でも開花するのか?)について質問をしたものです。
その際にキダチアサガオは開花に光の影響をあまり受けず、体内時計の影響が強いのではないかとのアドバイスをいただきました。
アドバイスをいただいた後で、キダチアサガオの体内時計を知るために開花時間の実験をしました。
以下の①②の条件で観察しました。
①屋外→明所
②ずっと屋外
※明所とは、昼間は日光の当たる屋外、夕方暗くなる前に室内灯の当たる明所に移動した状態)
①キダチアサガオA(明所)
・7/7の朝までは屋外で通常の昼夜で育てた
・屋外で育てていた時は0時頃に開花
・7/7の夕方から明所で育てた
・7/7〜7/12の間に5つ開花
・1日目だけ0時開花、その後は18時頃に開花
②キダチアサガオB(屋外で通常の昼夜で育てたもの)
・8/4〜8/11の間に9つ開花
・0ー3時頃に開花
上記①②のキダチアサガオは、ほぼ24時間周期で開花にしておりました。
①は暗所→明所になった初日だけ時差ボケの状態なのか開花時間がずれましたが、2日目以降は揃うようになりました。
ムラサキと同じ様にキダチアサガオも体内時計が機能している事が分かりました。
キダチアサガオは、開花に光の影響をあまり受けないと言いますが、①の結果を見ると2日目以降は開花時間が18時頃にずれているため、なんらかの影響でキダチアサガオの概日時計がリセットされる要因があるように思います。
ムラサキなら、光の影響を大いに受けて、開花時間は、蕾に暗さを与えてから9ー10時間後にずれていきますが、屋外に戻してしばらくすると他の屋外のムラサキの開花に時間と合っていきます。
キダチアサガオは、個体数が少ないため多くの実験は出来ませんでしたが、一度リセットされると明所に起き続けると開花時間はそのまま同じ位の時間で揃っていく様です。そして、何かの影響で再びリセットされる場合がある様です。
去年はキダチアサガオは12月半ば頃まで開花していたのですが、屋外で育てたキダチアサガオはなぜか9月20日以降は開花に時間が夕方や深夜、早朝、昼間とかなりバラバラになっていました。日の長さや気温が関係しているのでしょうか、、。
今年もキダチアサガオの実験をやりたいと思っておりますが、キダチアサガオの体内時計リセットのスイッチとなるような要因を調べる事が出来るような手段はありますでしょうか?よろしければアドバイスをお願いいたします。
その際にキダチアサガオは開花に光の影響をあまり受けず、体内時計の影響が強いのではないかとのアドバイスをいただきました。
アドバイスをいただいた後で、キダチアサガオの体内時計を知るために開花時間の実験をしました。
以下の①②の条件で観察しました。
①屋外→明所
②ずっと屋外
※明所とは、昼間は日光の当たる屋外、夕方暗くなる前に室内灯の当たる明所に移動した状態)
①キダチアサガオA(明所)
・7/7の朝までは屋外で通常の昼夜で育てた
・屋外で育てていた時は0時頃に開花
・7/7の夕方から明所で育てた
・7/7〜7/12の間に5つ開花
・1日目だけ0時開花、その後は18時頃に開花
②キダチアサガオB(屋外で通常の昼夜で育てたもの)
・8/4〜8/11の間に9つ開花
・0ー3時頃に開花
上記①②のキダチアサガオは、ほぼ24時間周期で開花にしておりました。
①は暗所→明所になった初日だけ時差ボケの状態なのか開花時間がずれましたが、2日目以降は揃うようになりました。
ムラサキと同じ様にキダチアサガオも体内時計が機能している事が分かりました。
キダチアサガオは、開花に光の影響をあまり受けないと言いますが、①の結果を見ると2日目以降は開花時間が18時頃にずれているため、なんらかの影響でキダチアサガオの概日時計がリセットされる要因があるように思います。
ムラサキなら、光の影響を大いに受けて、開花時間は、蕾に暗さを与えてから9ー10時間後にずれていきますが、屋外に戻してしばらくすると他の屋外のムラサキの開花に時間と合っていきます。
キダチアサガオは、個体数が少ないため多くの実験は出来ませんでしたが、一度リセットされると明所に起き続けると開花時間はそのまま同じ位の時間で揃っていく様です。そして、何かの影響で再びリセットされる場合がある様です。
去年はキダチアサガオは12月半ば頃まで開花していたのですが、屋外で育てたキダチアサガオはなぜか9月20日以降は開花に時間が夕方や深夜、早朝、昼間とかなりバラバラになっていました。日の長さや気温が関係しているのでしょうか、、。
今年もキダチアサガオの実験をやりたいと思っておりますが、キダチアサガオの体内時計リセットのスイッチとなるような要因を調べる事が出来るような手段はありますでしょうか?よろしければアドバイスをお願いいたします。
Minecraft 様
Q&Aコーナーにまた質問していただきありがとうございます。今年もキダチアサガオの実験を計画されているとのこと、大変うれしく思います。前回協力いただいた京都大学の小山時隆先生から以下の回答をいただきました。回答にありますように、葉の就眠運動の実験ができるとさらに研究が深まると思いますのでぜひ考えてみてください。
【小山先生の回答】
面白い実験を継続的に進めていて、すばらしいです。
『去年はキダチアサガオは12月半ば頃まで開花していたのですが、屋外で育てたキダチアサガオはなぜか9月20日以降は開花に時間が夕方や深夜、早朝、昼間とかなりバラバラになっていました。日の長さや気温が関係しているのでしょうか、、。』と書かれていますが、季節の変化は日の長さと気温の変化を伴いますので、これらの要因が影響していると考えるのは良さそうです。季節(時間)の進行に伴って変わっていく他の要因(環境や植物自身)も考えてみると面白いかもしれません。
さて、『今年もキダチアサガオの実験をやりたいと思っておりますが、キダチアサガオの体内時計リセットのスイッチとなるような要因を調べる事が出来るような手段はありますでしょうか?』という質問ですが、体内時計(概日時計ともいいます)は1日の周期的な環境変動に合わせて動くことで、時計としての機能を発揮することができます。つまり、1日の中で周期的に変化する環境要因を人工的に変化させることで概日時計を実験的にリセットさせることができそうです。
例えば、明るい/暗いという環境(変化)はリセットに効きそうです。実施しやすいのは、暗くできる箱などを使って暗くする時間帯(暗期)を変える、あるいは人工的な照明で明るい時間帯(明期)を変えることです。2日以上同じ時間帯で人工的な暗期あるいは明期を作ることで、これらの環境の変化が概日時計のリセットに効果があったかどうかが分かりやすく観察できると考えられます。
私たちが毎日みる時計のように、キタギアサガオの概日時計が今何時かを知ることができるといいと思いませんか。いくつかの方法が考えられますが、多くの植物で葉が1日周期で動いていることが知られており、その動き方を観察することで概日時計が示す時刻をしることが可能です。就眠運動とも言いますが、葉は花と異なりいつでもあるので、葉の動きを観察してみても面白いかもしれません。
ただし、栽培している環境が変化すると、概日時計以外の環境要因で葉の動きが決まることがあるので、その点を注意しながら観察するといいでしょう。進化論で有名なチャールズ・ダーウィンは、このような植物器官の運動に興味を持って、たくさんの実験や観察を行ったことが知られています。
Q&Aコーナーにまた質問していただきありがとうございます。今年もキダチアサガオの実験を計画されているとのこと、大変うれしく思います。前回協力いただいた京都大学の小山時隆先生から以下の回答をいただきました。回答にありますように、葉の就眠運動の実験ができるとさらに研究が深まると思いますのでぜひ考えてみてください。
【小山先生の回答】
面白い実験を継続的に進めていて、すばらしいです。
『去年はキダチアサガオは12月半ば頃まで開花していたのですが、屋外で育てたキダチアサガオはなぜか9月20日以降は開花に時間が夕方や深夜、早朝、昼間とかなりバラバラになっていました。日の長さや気温が関係しているのでしょうか、、。』と書かれていますが、季節の変化は日の長さと気温の変化を伴いますので、これらの要因が影響していると考えるのは良さそうです。季節(時間)の進行に伴って変わっていく他の要因(環境や植物自身)も考えてみると面白いかもしれません。
さて、『今年もキダチアサガオの実験をやりたいと思っておりますが、キダチアサガオの体内時計リセットのスイッチとなるような要因を調べる事が出来るような手段はありますでしょうか?』という質問ですが、体内時計(概日時計ともいいます)は1日の周期的な環境変動に合わせて動くことで、時計としての機能を発揮することができます。つまり、1日の中で周期的に変化する環境要因を人工的に変化させることで概日時計を実験的にリセットさせることができそうです。
例えば、明るい/暗いという環境(変化)はリセットに効きそうです。実施しやすいのは、暗くできる箱などを使って暗くする時間帯(暗期)を変える、あるいは人工的な照明で明るい時間帯(明期)を変えることです。2日以上同じ時間帯で人工的な暗期あるいは明期を作ることで、これらの環境の変化が概日時計のリセットに効果があったかどうかが分かりやすく観察できると考えられます。
私たちが毎日みる時計のように、キタギアサガオの概日時計が今何時かを知ることができるといいと思いませんか。いくつかの方法が考えられますが、多くの植物で葉が1日周期で動いていることが知られており、その動き方を観察することで概日時計が示す時刻をしることが可能です。就眠運動とも言いますが、葉は花と異なりいつでもあるので、葉の動きを観察してみても面白いかもしれません。
ただし、栽培している環境が変化すると、概日時計以外の環境要因で葉の動きが決まることがあるので、その点を注意しながら観察するといいでしょう。進化論で有名なチャールズ・ダーウィンは、このような植物器官の運動に興味を持って、たくさんの実験や観察を行ったことが知られています。
小山 時隆(京都大学大学院理学研究科)
回答日:2025-04-16